2025年版小学生の将来の夢と親の職業観を探る調査結果

小学生と親が描く未来の職業とは

今年の春に小学校に入学する子どもたちに焦点を当てた調査が行われた。調査を実施したのは、ランドセルなどに使用される人工皮革を製造・販売する株式会社クラレ。男女が選んだ将来就きたい職業と親が就かせたい職業について、多くの興味深い結果が報告された。

将来就きたい職業のランキング

調査の結果、男女を合わせたトータルで最も人気のある職業は「ケーキ屋・パン屋」であり、続いて「警察官」や「スポーツ選手」がランクインした。特に、男の子の間では「警察官」が2年ぶりに一位に返り咲くなど、職業への興味に変化が見られる。本調査は、これまでの10年や20年前のデータと比較し、近年の傾向を明らかにしている。

また、男の子の中で「ユーチューバー」が5位に選ばれるなど、デジタル時代の影響を強く受けた結果も注目される。調査は男女それぞれ2000名から有効回答を得ており、その点でもバランスが取れたサンプルとなっている。

男の子の調査結果

男の子の人気職業には、次のような順位が見られた。
1. 警察官（2年ぶりの1位）
2. スポーツ選手
3. 消防・レスキュー隊
4. ユーチューバー
5. 大工・職人（3年ぶりの10位入り）

特筆すべきは、「スポーツ選手」の中でも特に「サッカー」と「野球」が多く支持を得ているという点だ。サッカーの人気は下がっている一方で、野球は復調の兆しを見せており、将来性を感じさせる結果となった。

一方で「販売・接客業」が11位に返り咲いたことにも注目したい。コロナ禍を経て、身近で明るい仕事に憧れを持つ子どもたちが増加していることを表している。

女の子の調査結果

女の子の「将来就きたい職業」のトップは、27年連続で「ケーキ屋・パン屋」であり、その後には「芸能人・歌手・モデル」が続き、「保育士」が3位にランクインした。特に「ケーキ屋・パン屋」は安定した人気を誇るが、過去のデータでは若干の減少傾向も見られている。

また、女の子の間でも「ユーチューバー」の人気が高まる傾向にあり、今年は13位にランク付けされるなど、その職業の広がりを感じさせる結果となった。

親の心境と希望

次に、親の願いについても調査が行われた。男の子の親が最も就かせたい職業としては、「公務員」が不動の人気を誇り、続いて「会社員」が2位にランクイン。この2つの職業は、近年のデータではますます支持を集めている。

一方、女の子の親においては「看護師」が長年のトップ候補だったが、今年は「公務員」が初めてその位置に立った。親の立場から見ると、子どもの安定を重視する傾向が色濃く反映されている。また、「看護師」に対する支持は依然として高いものの、苦労をさせたくないという親心が影響を及ぼしているようだ。