中小企業のDXを支援するノーコードAIツール「Node-AI」の成果とは

NTT Comの「Node-AI」がもたらす中小企業のDX推進

デジタルトランスフォーメーション（DX）が企業にとって重要な課題となっている中、NTTコミュニケーションズ（NTT Com）が提供するノーコードAIツール「Node-AI」は、特に中小企業におけるその取り組みを支援する新しい方向性を示しています。このツールを利用した具体的な成果として、山口県下関市の住吉工業株式会社が高精度の水質予測モデルを開発しました。これにより、労務時間の大幅な削減とコスト削減が実現されています。

背景

住吉工業は、最終処分場を運営し、環境規制に対応した水質管理を求められています。法律により、月に一度の水質検査が義務付けられているものの、同社ではより高い安全基準を確保すべく、日常的に365日水質検査を行っています。しかし、人手不足により、休日出勤が課題となっており、効率的な水質管理の必要性が叫ばれていました。そこで、NTT Comの「Node-AI」を活用することで、検査の必要性を予測し、無駄な労働を削減することが焦点となりました。

Node-AIの特徴

「Node-AI」は、プログラミングの知識がなくても簡単に時系列データ分析が行えるツールです。ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、データ分析ができるため、専門知識を必要とせず、誰でも手軽にAIを開発できます。このツールを利用することで、住吉工業の担当者は自身の手で水質予測モデルを構築できるようになったのです。

取り組みの成果

住吉工業では、「Node-AI」を用い、過去の水質管理データをAIに学習させ、将来の水質を正確に予測するモデルを作りました。この取り組みには、NTT Comのデータサイエンティストが支援し、具体的なデータ分析手法について指導を行いました。結果として、予測されたpH値は法定基準を十分にクリアし、休日の点検業務を削減する基準が設けられました。

この新しい水質予測方法により、住吉工業は年間約504時間の労務時間を削減し、さらには100万円以上の人件費の削減も見込んでいます。

今後の展開

NTT Comは、住吉工業の成功事例を基に、他の中小企業にも「Node-AI」を導入し、データ活用の支援を行っていく予定です。DXの価値を広め、企業の業務改善を促していくことが目標です。

エンドースメント

住吉工業の環境産業部のオガワ泰舗氏は、「Node-AI」を用いた水質予測の効果を確認し、今後も複数地点での水質予測モデルの開発を行なうことを発表しています。彼は、「データの自動取得や外部の気象データとの連携を進め、より精度の高いAIによるDX化を目指したい」と語っています。

NTT Comは、法人事業ブランド「ドコモビジネス」を通じて、引き続き中小企業へのDX支援を強化していく方針です。私たちのスローガン「つなごう。驚きを。幸せを。」の下、新しい価値を生み出すための取り組みを進めています。