フィンフェット半導体を用いた新しい耐放射線FPGA技術の実証

フィンフェット世代の耐放射線FPGAが実証される



ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社(以下、NBS)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、フィンフェット世代の半導体を使用した耐放射線FPGAの基本動作を実証しました。この新しい技術は、特に航空宇宙産業や通信インフラ分野での利用が期待されています。

NBSの革新技術NanoBridgeとは



NBSは2019年に設立されたベンチャー企業で、固体電解質中に金属原子を制御し、LSIの配線間にナノサイズの金属架橋を生成・消滅させるNanoBridge技術を有しています。この技術により、FPGAやメモリデバイスは、低消費電力でありながら高い放射線耐性を持つことが可能となります。特に、繰り返し書き換えができるという特性を活かし、さまざまな用途に適用できることから、関心を集めています。

開発の背景と必要性



宇宙空間では、宇宙からの強い放射線が問題となります。特に半導体部品の誤動作がリスクとして考えられます。そのため、高い放射線耐性を持つ国産半導体の開発は、経済安全保障の観点から重要です。NBSは、今後の衛星技術のさらなる進展に寄与することを目指しています。

NanoBridgeFPGAの特性



新たに開発されたNanoBridgeFPGA(NBFPGA)は、16nmから12nmのフィンフェット技術を用いたもので、微細化された半導体デバイスとしての耐放射線性に優れています。さらに、JAXAが開発した放射線耐性技術(RHBD)を組み合わせることで、耐放射線特性を大幅に向上させました。これにより、 より大規模な情報処理が可能になり、実用性が一段と高まります。

今後の展望



NBSは、この技術を基にして、さらなる大規模なNBFPGAの開発を進め、国内外の製造業に向けて事業を展開することを目指しています。また、つくば市でのThe Microelectronics Workshop(MEWS36)において、技術の詳細が発表され、業界内での技術的関心が高まっています。

ナノブリッジの未来



今後、NBSでは、NanoBridgeのさらなる可能性を探るために、半導体デバイスや回路の専門家を積極的に採用していく意向を示しています。これにより、日本国内での半導体技術の独自性と発展に寄与することが期待されています。このような取り組みは、国内外の多くの産業で使用される次世代の半導体技術の道を切り開くことでしょう。

会社情報

会社名
ナノブリッジ・セミコンダクター株式会社
住所
茨城県つくば市千現2-1-6つくば研究支援センターA-20-1
電話番号
029-855-3555

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