NFTを活用した加賀市の新たな市民制度「e-加賀市民制度」が始動

デジタル革新で繋がる加賀市

石川県加賀市が、Web3技術の一環としてNFTを活用し、関係人口を創出する新しい市民制度「e-加賀市民制度（加賀版e-Residency）」の導入に向けて動き出しました。このプロジェクトは、デジタル技術を活用した地域振興に取り組むコーギア株式会社の支援を受け、2023年3月から実施される実証実験を中心に展開されます。

目的と背景

この新しい制度は、地域にとどまらず、日本全国から「e-加賀市民」を創出することを目指しています。加賀市は、これまでもスマートシティ施策に積極的に取り組んできた実績があります。2018年には「ブロックチェーン都市宣言」を行い、2022年には他地域と共に「デジタル田園健康特区」に指定されるなど、地域のデジタル化が進んでいます。

「e-加賀市民制度」が目指すのは、物理的な居住地に縛られない新たな市民像です。これにより、移住や定住を促進し、地域の活性化を図ることが主な目的です。

実証実験の詳細

実証実験は2023年3月6日から3月24日間で行われ、全国から100名程度の参加者を募集します。参加者には「e-加賀市民」に登録してもらい、提供されるサービスやシステムを実際に体験していただく予定です。この実験を通じて、制度が持続的に運営されるための課題や改善点を洗い出していきます。

参加者には、オリジナルNFTの進呈や、専用のコミュニティに参加できる特典が用意されています。このNFTはSYO ARTISTの吉川壽一氏のデザインによるもので、実証実験に参加することで無償で提供されることになっています。さらに、地域の観光タクシーの利用やワーケーションサービスの提供も行われ、参加者同士が有意義な時間を過ごすことに役立てられることでしょう。

NFTによる新しい地域の形

実証実験の際には、「e-加賀市民サイト」が開設され、NFTアートの販売や地域事業者との連携を通じて、加賀市のいろいろな取り組みが広がっていくことが期待されています。これにより、地域の魅力やプロモーション活動が加速し、より多くの人々に加賀の新たな一面を知ってもらうことができるでしょう。

連携イベントの開催

加賀市では、実証実験の枠組みを強化するため、関連イベントも計画されています。2022年12月10日には「加賀市Web3.0未来エンパワーメント会議」が開催されます。この会議では、パネリストとしてコーギアの川村氏が登壇し、NFTを活用した新しい未来について議論が交わされる予定です。このイベントは、現地参加とオンライン参加が可能であり、後日アーカイブ視聴もできます。

加賀市のデジタルへの取り組みが、今後どのように展開されていくのか、多くの人々が注目しています。また、「e-加賀市民制度」の導入が、全国的な関係人口創出にどのように寄与するのか、地域の未来を左右する大きな一歩となることでしょう。