新刊『設計者のための建築不動産コンサルティングのはじめかた』
建築士必見の話題作が2025年11月27日に発売されます。この本は、建築と不動産の協業を推進する創造系不動産株式会社の代表、高橋寿太郎氏によって書かれたもので、建築家が事業としてプロジェクトを成功に導くための「設計前段階の企画力」や「建築不動産コンサルティング」の知見をまとめた一冊です。
アフターコロナの厳しい業界環境
最近の建築業界は、インフレや資材費の高騰、資金調達の困難さ、そして事業主の多様化したニーズによって、ますます複雑で厳しい状況に置かれています。このような状況では、単に図面を描くだけではプロジェクトを成立させることは困難です。建築家は「設計以前」の段階で事業価値を判断し、計画を立てるスキルが求められています。
高橋寿太郎の経験に基づく実践書
創造系不動産は設計事務所や建築家に特化した不動産コンサルティングの先駆者として、15年以上にわたり約700件のプロジェクトを手掛けてきました。その経験を基に、本書では企画やヒアリング、銀行折衝、リサーチなどの実務知見を丁寧に解説しています。
著者である高橋氏は、不動産会社の経営者として初めて建築学部の教授に就任し、教育や研究の視点を融合した実践的な知識を提供しています。過去の著書には『建築と不動産のあいだ』や『建築と経営のあいだ』などがあり、業界内での評価も非常に高いです。今回の新刊は、「建築 × 不動産」というテーマの専門書が登場することに、多くの期待が寄せられています。
本書の特長
設計前段階スキルの体系化
本書では、設計者がプロジェクトを成功させるために必要なスキルを以下のように整理しました:
- - 経営ヒアリング力
- - チームプロデュース力
- - リサーチ・マーケティング能力
- - 資金調達力
- - 事業収支計画力
- - 建築企画力(VFRDCMメソッド)
これらは、建築家が理解しやすい言葉で説明されています。
最新ケーススタディの収録
また、集合住宅やリノベーション、商業施設、オフィスなど、実際の実務案件を取り上げ、プロセスを通じて建築家が学ぶべき判断基準を示しています。これにより、実務的な視点から価値を創出するための具体的な方法がわかりやすく解説されています。
新しいスタンダードの確立
発刊の狙いは、アフターコロナ時代における「建たない時代」を生き抜くため、建築家が設計の前段階からプロジェクトに関与できるようにすることです。また、設計者と事業主の実務効率を高め、若手の育成を促進しつつ、建築と不動産が協働する社会的価値を普及させていくことが求められています。
著者の高橋氏は、「設計者が設計の前段階からプロジェクトに関わる機会が増えており、その方法論の体系化が必要だ」と述べています。この本は、建築と不動産の壁を越えた新しいアプローチで、多くの設計者にとっての力強いサポートとなるでしょう。
書籍情報
- - 書名:『設計者のための建築不動産コンサルティングのはじめかた』
- - 著者:高橋寿太郎(創造系不動産株式会社代表 / 神奈川大学建築学部教授)
- - 発売日:2025年11月27日
- - 出版社:学芸出版社
- - 仕様:A5判/約240ページ
- - 定価:税込 2,420円
この新刊は、設計士が変化する業界で成功するための重要な指針となることでしょう。アフターコロナの厳しい環境を乗り越えるために、ぜひ手に取ってみてください。