オフセット特殊印刷の世界を覗く
今年の10月、グラフィック社から新刊「デザインのひきだし53」が発売されます。この号では、オフセット特殊印刷に特化した内容が特集されており、豊富な実物サンプルが付属するため、デザイナーにとって貴重な情報源となること間違いありません。
オフセット印刷の新たな可能性
一般的には、オフセット印刷とはCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の印刷方式を指しますが、本号ではその枠を超え、特殊な印刷技術を実際のサンプルを通して紹介しています。蛍光色、メタリック色、ブラックライトで発光するインク、紫外線反応インクなど、多彩な表現手法が取り上げられ、印刷物に約80種類の特殊印刷が紹介されています。
魅力的な表紙デザイン
今号の表紙は一見シンプルな真っ白ですが、光の当たり方により、隠れたデザインが浮かび上がります。これはUVオフセット印刷によるもので、3色の透明特色印刷が施されています。このように、印刷技術を駆使して、一瞬の光によって変わる印象を楽しめるアプローチは、デザインの可能性をさらに広げてくれます。実物サンプルで、ぜひその変化を体験してほしいものです。
特別なサンプルが満載
別冊付録には、実際にオフセット印刷でつくった特殊印刷サンプルが40種類以上収められています。また、墨の表現も非常に多様で、マット墨、グロスニス、特濃墨など、さまざまな紙に刷り比べた見本帳も同封。特に、白や黒を使った工夫により、シルクスクリーンのような印刷に仕上がる点も見逃せません。
面白い連載やお知らせも
本号では人気コーナー「もじモジ探偵団」にて、越後川口SAで見かけた手書きポスターが紹介されています。手書きの魅力や変わった文字デザインを探る内容となっており、デザインだけでなく文字に対する新たな視点も得られるでしょう。
さらに、編集部のお勧めとして「kome-kami」シリーズも取り上げられています。日常的に廃棄される米を原料としたアップサイクルの紙が登場します。この試みは、環境問題への意識が高まる中、新たな素材の使い方として注目されています。
書籍情報
「デザインのひきだし53」は、2024年10月に発売される予定です。B5判・並製・総頁数160ページと、非常に充実した内容になっています。価格は2,750円(10%税込)で、Amazonや楽天ブックスで購入可能です。詳しくはグラフィック社の公式サイトにて.
デザインの世界は常に進化しています。本書を手に取ることで、新たな発見やインスピレーションを得られること必至です。