京都府立盲学校に最新技術が導入!
2025年11月17日、東京都の株式会社サンコンタクトレンズが日本最初の盲学校、京都府立盲学校に寄贈した3Dプリンターが話題となっています。視覚に障がいのある児童生徒の教育を支援するこの取り組みは、「触れる学び」の重要性に着目したものです。
触察の重要性
視覚障がいのある学生にとって、触覚を通じて情報を得る「触察」は、物事を理解するための大切な手段です。これにより、形や大きさ、さらには空間の構造を立体的に把握する能力が養われます。従来の教材では十分に表現できない内容も、立体物に触れることで具体性を持ちます。
3Dプリンターによる新しい教育
寄贈された3Dプリンター、名を「FLASHFORGE Adventurer 5M Pro」と言います。このデスクトップ型3Dプリンターは、迅速かつ精密に立体物を製作でき、学校現場で扱いやすいサイズ感を持っています。この装置を利用すれば、過去には入手困難だった教材も容易に作成可能となり、子どもたちの学びの幅が広がります。
印刷可能な教材には、花の構造、DNAモデルや骨格、貝殻、さらにはカマキリやクワガタなどの例があげられます。これらの教材を通して、児童生徒は触れて学ぶことができ、学習に対する興味をさらに高めることが期待されています。
京都府立盲学校の役割
本校は1878年に設立され、日本で初めての盲学校です。幼稚部から高等部までの広範囲な教育を提供し、高等部普通科では就職や進学を目指し、保健理療科では医療系の国家資格取得を支援しています。また、ICT機器の活用を通じて地域の視覚障がい児童への支援にも力を入れています。
サンコンタクトレンズの使命
サンコンタクトレンズは1971年に創業し、医療機関と連携しながら、個別の角膜形状に掲げたカスタムメイドのハードコンタクトレンズの研究・開発・製造・販売を行っています。また、地域の社会貢献活動やCSR活動にも積極的に関与しています。今回の3Dプリンター寄贈も、視覚障がいのある子どもたちへの学びの機会を広げることを目的としたものです。
今後の展望
この3Dプリンターの導入により、触察教材の製作は本格的に始まります。授業に応じたオリジナル教材の制作や、学生のアイデアを具現化する探究学習活動が行われ、さらに他の視覚特別支援学校との連携も期待されます。これにより、「触れる学び」の領域はますます広がることでしょう。
サンコンタクトレンズは教育現場の教員からのフィードバックを反映しながら、少しずつ視覚障がいのある子どもたちの成長を支援していきます。触覚を使用した新たな学びの可能性を広げるこの試みは、社会全体に貢献するものとなるでしょう。