新しいチームが登場した「全国ご当地フォント発表会」
一般社団法人シブヤフォントが主催する「第3回全国ご当地フォント発表会」が盛況のうちに開催されました。この発表会では、2024年度の新たな「ご当地フォント」6チームが紹介され、障がいのある人とデザイナーが共に創り上げた物語が展開されました。
主な新チームには「仙台ふぉんと」「イチカワフォント」「江東フォント」「世田谷フォント」「日の出フォント」「やまぐちふぉんと」の6つがあり、それぞれの制作の背景や努力が語られました。これにより、地域の魅力が感じられるフォントが一層発展することが期待されています。
特別ゲストとして登壇した企業や団体も、そのフォントを活用したプロジェクトを紹介しました。例として挙げられるのは、伊藤園の自動販売機での導入やアートレンタルにおける採用事例です。
発表会の概要
発表会は2025年4月28日(月)に、東急プラザ原宿ハラカドで行われ、14時から17時までの間に多くの参加者が集まりました。
登壇者には、各チームのデザイナーや障がいのあるアーティストが含まれ、彼らの努力と情熱が聴衆に伝わりました。これは単なるフォントの発表ではなく、共創の重要性を訴える場でした。
さらに、全国の「ご当地フォント」チーム同士をつなぐための運営委員会の設立の呼びかけも行われ、今後の展望が期待されています。
電子書籍「ショウガイはへんしんできる。」
発表会に合わせて、シブヤフォントやご当地フォントに関する電子書籍も発行されました。この書籍は、「障害者とデザイナーの協働によるフォントデザイン事業の知見の共有と周知」という日本財団の助成事業の一環として作られました。
この電子書籍では、4,500人以上のアンケート調査と56名へのインタビューを基に、実際のエピソードが多数収められています。彼らの変化や気づきは、共生社会の実現に向けた大切なナラティブとして広がっています。
巻末には、シブヤフォントとご当地フォントの運営に関わる専門家たちの寄稿も含まれ、今後の活動や意義についての考察がなされています。
ご当地フォントの社会的意義
「ご当地フォント」プロジェクトは、日本全国の障がいのある人々やデザイナー、支援団体が力を合わせて創り出す新しい形のアートワークです。社会の中で未だに存在する障がい者への偏見を少しでも減らし、共生社会を築くための大きな一歩といえるでしょう。
今後、このプロジェクトがどのように拡大していくのか、業界全体の動向が注目されます。全国の「ご当地フォント」のデータは公式ウェブサイトで公開され、誰でもアクセス可能です。これにより、さらに多くの人々がこの素敵なフォントを利用する機会が広がります。
まとめ
一般社団法人シブヤフォントの取り組みは、クリエイティブなデザインだけでなく、社会的な意義をも併せ持っています。6つの新チームの紹介と、電子書籍を通じて伝えられる士気と情熱は、今後の活動に大きな期待を寄せています。
このプロジェクトが進化することで地域や社会全体が持続可能な形で発展していくことを、私たちも注視していきたいと思います。