蚕を活用した革新的な次世代食品「シルクフード」
エリー株式会社が取り組む次世代食品「シルクフード」は、持続可能な食文化の創造を目指す新素材です。近年、国際連合食料農業機関(FAO)が発表した衝撃的なレポートによれば、世界の人口増加に伴い、今後は昆虫を食べることが必要とされています。この背景に基づき、エリー社は長い歴史を持つ養蚕から新たな食原料をリノベートしようとしています。
「蚕」の恵みを最大限に活かす
蚕は5千年以上にわたって人間と共存してきた生き物であり、絹産業の中心的存在でもあります。日本では、かつて全農家の約40%が養蚕を行い、国の近代化に寄与してきました。この「蚕」を使用したシルクフードは、タンパク質、ビタミンの他、50種類以上の機能性成分を含むことが京都大学との共同研究により明らかとなっています。これを受け、エリー社は日本市場における健康食品としての普及を図り、さらなる研究開発や商品化に投資することを決定しました。
食文化の新たな扉を開く「シルクフードラボ」
2020年には世界初の「蚕」専門レストラン「シルクフードラボ」を開店。ここでは、実際に蚕を使った料理を提供し、消費者にその魅力を伝えています。そして、クラウドファンディングを通じて、購入も可能となっています。この取り組みが進む中で、「蚕」を食材として取り入れることに対する理解が広がり、次々と新しい展開が期待されています。エリー社は「シルクフード」を通じて、健康志向な顧客に注目を浴びることになるでしょう。
投資家の注目を集めるエリー社
最近行われた約4,500万円の資金調達には、アイビスパートナーズ株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、京葉ガス株式会社が名を連ねています。これらの投資家はそれぞれ、食品に対する新たな視点や未来への期待をコメントしており、「シルクフード」に大きな可能性を見出しています。
- - アイビスパートナーズ株式会社 は、蚕が持つ独自の動物性タンパク質の可能性に着目し、エリー社と共に成長を追求します。
- - 三井住友海上キャピタル株式会社 は、迫り来るタンパク質危機に対する解決策の一つとして「シルクフード」を評価しています。
- - 京葉ガス株式会社 は、将来的な食糧不足解決に貢献するというエリー社の理念を評価し、その成長をサポートする意向を示しています。
持続可能な食の未来を見据えて
エリーの社長である梶栗隆弘氏は、「シルクフード」が美味しさと健康性、環境への配慮を兼ね備えた次世代食品であることを強調しています。歴史的にも日本で馴染み深い「蚕」を、現代の食品科学と融合させることで、持続可能な食文化の構築を目指しているのです。これからの展開から目が離せません。
エリー株式会社は、東京都中野区に本社を置き、2017年に設立された企業です。今後、「シルクフード」の普及を通じて、世界的な食文化の変革が進むことに期待が寄せられます。