過疎地域を活性化する「地域維持レスキュー」始動
一般社団法人しろにしが取り組む「地域維持レスキュー」は、和歌山県有田川町の過疎地を救うための新たなプロジェクトです。昨年夏から本格始動し、2023年度には注目の「ぶどう山椒収穫レスキュー」を実施しました。この新しい試みは、地域の農業を支えるとともに、参加者と地元の人々との交流を深めることを目的としています。
ぶどう山椒収穫レスキューの隆盛
「山椒が豊作で採りきれないかもしれない。このままでは樹勢が弱ってしまう」という危機感からスタートしたこのプロジェクト。しろにしの拠点「有田川町移住就業支援拠点しろにし」が完成したのは2023年春。その直後、農家に協力を仰ぎ、参加者を募集して開始された「ぶどう山椒収穫レスキュー」は、多くのボランティアが手伝い、成功裏に進められました。考えられた企画は限られた時間内で行われたため、当初は参加者の集まりを心配する声もありましたが、結果的には大成功となり、収穫を終えた皆が笑顔を交わす場が生まれました。
地域の困難を共に解決するために
地域の農繁期だけでなく、草刈りや道普請、空き家問題など、さまざまな課題が待ち受けています。過疎化が進む中で人口減少と高齢化が進む今、地域の人々が楽しみながら生活し続けられるためには、外からの手を借りることも必要です。その視点から、しろにしは地域の活性化に向け、レスキュー活動を展開することになりました。「地域維持レスキュー」の基盤は、地域に住む人々が互いに助け合い、楽しんで暮らせる環境を整えることです。これにより、地域内で人が集まり、さらなる移住や二地域居住を促すことにも繋がります。
2023年度の活動計画
今年の「ぶどう山椒収穫レスキュー」は、7月1日から8月9日までの約40日間で実施される予定です。この期間に参加者は、山椒の収穫を手伝いながら大自然の中での体験を楽しむことができ、終了後には新たにオープンした「歴史ロマンの湯 しみず温泉」でリフレッシュできます。また、秋から冬にかけても「道普請レスキュー」や「文化継承レスキュー」など、多様な活動が予定されています。
有田川町の文化を伝える「萱刈りレスキュー」
有田川町の杉野原地区では、国指定重要文化財である雨錫寺阿弥陀堂の保護活動として「萱刈りレスキュー」を計画しています。かつての稲作の伝統文化を次世代に繋いでいくために、地域の人々や自治体と協力し、必要な資材を地元で調達しようとしています。この試みに参加することで、地域の文化や歴史を守るための一助となります。
地域を楽しみながら支える「遊び暮らし体験」
さらに、しろにしは「遊び暮らし体験」を通じて、有田川の魅力を広める取り組みも行なっています。地域ならではの体験メニューを提供し、参加者が地域の生活や文化を実体験として感じることができる機会を作っています。これにより、地域維持活動に参加しながら楽しむ形で地域への関心を高めることを目指しています。
最後に
しろにしの活動は、過疎の地域を支えるだけでなく、地域への理解や興味を深めるための機会を提供しています。地域社会に参加することで、訪れる人々にも新たな発見や喜びをもたらすことができるでしょう。今後もこの活動がどのように展開していくのか期待されます。