中部電力グループが手掛ける生成AI活用サービスの新たな展開
中部電力グループの一員である株式会社TSUNAGU Community Analytics(以下、TCA)が、新たに生成AIを活用したサービスの開発に乗り出しました。このサービスは、株式会社ベルシステム24が推進する「生成AI Co-Creation Lab.」に参画し、コンタクトセンターでのノウハウ伝承を革新することを目指しています。
生成AI Co-Creation Lab.とは?
「生成AI Co-Creation Lab.」は、ユーザー企業が参加する形で生成AIの使用を促進するプログラムです。ベルシステム24が2024年6月に開始し、企業の持つ課題とのマッチングを図る取り組みが進められています。TSUNAGU Community Analyticsとベルシステム24の協業により、このプログラムは実現しています。
ベテランのノウハウをAIで引き継ぐ
業務においては、ベテランスタッフが持つ知識や経験を若手に伝えることが不可欠です。しかし、人口減少や労働環境の変化により、その時間を確保することが難しくなっています。この新たなサービスでは、蓄積した過去の対応履歴や業務運営のノウハウをデータベース化し、生成AIを介して新人担当者が問題に直面した際に、迅速にアドバイスを得られる仕組みを構築します。
提供される3ステップのソリューション
本サービスは、企業のニーズに応じた3つのステップに分かれています。
STEP 1: 保有データのアセスメント
企業が持つデータの質や量を見極める作業がまず行われます。ここでは、データが生成AIにどれほど活用できるかを評価し、改善点を明確にします。
STEP 2: データの蓄積設計と生成AIの試験導入
ノウハウをデータベース化するため、ベテランへのインタビューや既存ドキュメントの整理を行い、個別の思考プロセスを構造化します。この情報は生成AIのテスト環境で検証され、実務の中での導入準備が整います。
STEP 3: 実業務への実装
最終的に、生成AIを業務フローに組み込む作業が行われ、原因特定から解決策の考案、報告書の作成に至るまで、全体の流れが設計されます。導入時には、業務フローの説明会が実施され、AIの倫理教育も行います。
今後の展望
TCAは、2025年度末までに約10社へのサービス導入を計画しています。今後もこの取り組みを通じて生成AIの活用事例を増やし、企業の生産性向上に寄与していくことでしょう。東海地方から全国へ、デジタルトランスフォーメーションを加速させる一大プロジェクトが始まります。
株式会社TSUNAGU Community Analyticsについて
TCAは2021年に設立され、中部電力グループのデジタル化を支援しています。エネルギー関連データを活用し、顧客企業の業務改善に向けた高度な分析を提供し、新たな価値の創出を目指しています。
ベルシステム24の役割
1982年設立のベルシステム24は、コールセンターの草分け的存在で、企業と消費者の接点を強化してきた実績があります。生成AIの利用を進めることで、企業にとって価値ある接続手段を提供し続けているのです。
本サービスは、企業の未来を見据えた重要な一歩となるでしょう。この革新的なアプローチが、今後どのように進化していくのか注目が集まります。