LEシステム、グローバルな電解液市場に進出
株式会社LEシステム(東京・品川区)は、海外市場への本格進出を果たすことになりました。2025年1月中旬から、同社のグループ会社がスペインの大規模蓄電所向けに、バナジウムレドックスフロー電池(VRFB)用の電解液を出荷します。この出荷は、LEシステムにとって初めての大規模案件であり、タンクの数は507個、蓄電池容量に換算すると約8.5MWhに相当します。
日本から海を越えての初出荷
LEシステムは1970年代からバナジウムを用いた電解液の研究と開発を行ってきました。長年にわたり、日本国内での大規模定置式蓄電池市場の発展が遅れていたため、大型案件の受注が難しい状況にありました。しかし、2023年12月に同社が事業承継を受けて以来、海外の多くの電池メーカーとの連携を強化することができ、ついにこの度の出荷が実現しました。
受注内容と今後の展望
このたびのスペインへの電解液出荷に伴い、売上見込みは約3.3億円程度とされています。ただし、2025年12月期の連結業績に与える影響は軽微と見込まれています。今後、状況に応じて重要な影響が出た場合には、速やかに情報を開示していく方針です。
大規模製造体制の確立
LEシステムは国内随一の生産規模を誇るVRFB用電解液製造工場を持っており、これを活用し、国内外からの多様な需要に応えていく考えです。これにより、持続可能なエネルギー供給を大いに推進していくことが期待されています。
LEシステムとRS Technologies
LEシステムは、近年、RS Technologiesの連結子会社となりました。RS Technologiesは、「地球環境を守る」という理念のもと、半導体用シリコンウェーハ再生事業を展開している企業で、さらに再生可能エネルギー事業にも積極的に取り組んでいます。
このように、LEシステムとRS Technologiesの強力な連携により、今後もクリーンエネルギー社会の実現に向けた取り組みが加速されることでしょう。また、特許と独自技術を持つLEシステムが世界中に供給する高品質なVRFB電解液は、国際的な環境保護にも貢献することが期待されています。
LEシステムは、今後もこの分野でリーダーシップを発揮しつつ、持続可能な未来を構築するための模範となることを目指していきます。現代のエネルギー問題に立ち向かい、グローバルな電力需要に応えるために、革新と挑戦を続けていく姿勢が感じられます。