北海道に開設されたスマート農業の新拠点
北海道北広島市に、スマート農業の進展を図るための実証実験施設「ELTRESアグリテックフィールド」が新たにオープンしました。ソニーセミコンダクタソリューションズ、ソニーネットワークコミュニケーションズ、株式会社サングリン太陽園、越浦パイプ株式会社の4社が共同で建設したこの施設は、農業関係者や学生が最新の農業技術を直接体験できる場になることを目指しています。
次世代の農業を実現する施設
「ELTRESアグリテックフィールド」は、農作物の栽培に関する多様なデータを収集するセンサーを備えており、温湿度やCO2濃度、日射量、土壌の水分量などの情報をリアルタイムで取得します。これらのデータはソニーの独自通信規格「ELTRES™」を介して通信され、特別なアプリケーションで可視化されます。つまり、農家はこのデータを基に、より良い作物の栽培に向けた判断を行うことが可能です。
このような先進的な技術を駆使することで、作物の品質向上や収穫量の増加が期待され、地域の特性に適した育成環境を構築するための基盤を築くことを目指しています。
農業の現状と課題
現在、日本の農業はさまざまな困難に直面しています。生産者の高齢化や新規就農者の減少、さらに肥料や燃料などの資材の価格高騰により、生産コストが高騰する一因となっています。これらの課題に対し、スマート農業技術が有効な解決策として注目されています。この施設では、以下に挙げる実証実験が進められます。
1.
水分量や肥料使用量の最適化
センサーから得られるデータをもとに、農作物の生育状況をモニタリングし、水分や肥料の使用量を適切に調整することで、資材の無駄遣いを減らします。
2.
生育環境のリスク予測
センサーで収集したデータの分析により、気象条件や病害虫の発生リスクを予測し、適切な対策を整えることで、収穫量の安定化と品質向上が期待できます。
3.
農作業の効率化
スマートフォンやパソコンを用いて農地の状況を遠隔で監視することができ、農業従事者は必要な時にだけ農地を訪れることで、作業の効率化が図れます。
地域連携による農業の未来
「ELTRESアグリテックフィールド」は、スマート農業共同体(SAc)の一環として、農業現場にスマート農業技術を導入する役割を果たします。農家や企業、研究者、地域社会が協力し、知識と技術を共有することで、北海道から日本全体のスマート農業が進化することを目指します。
見学プログラムの実施
本施設は、農業関係者やスマート農業を学ぶ学生に向けた見学プログラムを用意しています。参加者は最新の機器や解決策を体験し、各種センサーの実物を見たり、データ活用方法に関する講義を受けたりすることができます。興味のある方は、以下の問い合わせ先までご連絡ください。
問い合わせ先:
サングリン太陽園
Email:
[email protected]
TEL: 011-892-6281
「ELTRESアグリテックフィールド」 概要
- - 所在地: 北海道北広島市酉の里 308-1(北日本スカイテック「TECHNOLOGY FARM 西の里」内)
- - 導入ソリューション: ELTRES 農業向けモニタリングシステム(送信端末・各種センサー・アプリケーション)
このように、「ELTRESアグリテックフィールド」はスマート農業を実現するための重要なステップであり、農業の未来を切り開く可能性を秘めた施設です。