東京都心5区のオフィスマーケットの状況
最近、三幸エステート株式会社が発表した「オフィスマーケット2025年12月号」では、東京都心5区及び全国6大都市のオフィスビルに関する重要なデータが報告されました。このレポートは、2025年11月末のデータを基にしております。
オフィス空室率と潜在空室率
特に注目されるのは、オフィスの空室率と潜在空室率が9ヵ月連続で低下しているという点です。2025年11月の空室率は、前月比でマイナス0.25ポイントとなり、1.13%という数値を記録しました。新築や築浅のビルが多く位置する港区や湾岸エリアでは、空室がスムーズに消化されており、この動きが主な原因とされています。空室率は、2020年9月以来初めて1%を下回る可能性が見え始めており、潜在空室率も同様に減少傾向を示し、2.62%と前月比で0.17ポイントの低下を記録しました。
募集賃料の推移
一方、オフィスの募集賃料は、過去最高水準に向かっており、2020年8月と同じ水準に回復しました。現在、募集賃料は31,000円/坪台半ばとなり、これは需要が高まっていることを示す明確な指標です。特に、既存ビルの募集床面積が品薄状態であるため、賃料の上昇が続いています。建築中のビルでもテナント誘致が進んでいることが、さらにこのトレンドを後押ししているようです。
区別空室率の変化
区別に見ると、特に中央区の空室率が大きく低下し、2021年3月以来の1%台に突入しました。具体的には、前月比で0.68ポイントの減少となり、1.58%という低水準を達成しています。また、千代田区と渋谷区はそれぞれ11ヵ月連続、2ヵ月連続で空室率が1%を下回る推移を見せており、コロナ禍前の状態に戻りつつあります。
アナリストの見解
アナリストは、空室率の低下の背景として、湾岸エリアの複数のビルにおけるテナント誘致の進展を指摘しています。八重洲などの主要エリアでは、空室が非常に限られる一方、湾岸エリアでは大口の募集床を持つビルのリーシング活動が長引いています。これに伴い、交通利便性を重視する企業が、都心部だけでなく湾岸エリアに目を向けるようになり、オフィス需要が拡大しています。
結まとめ
三幸エステート株式会社は、1977年に設立されて以来、企業のオフィス戦略をサポートし続けてきました。このような市場データを基にした分析は、企業が今後のオフィス戦略を考える際に重要な指標となることでしょう。
詳細なデータは三幸エステートの公式ウェブサイト[https://www.sanko-e.co.jp/data]で確認可能です。