ハイキャリア人材の転職活動における行動特性調査
株式会社プロフェッショナルバンクが実施した調査によると、ハイキャリア人材(年収700万円以上、20代から40代)が転職活動を行う際の行動特性が明らかになりました。この調査は、直近1年以内に転職活動を行った317人を対象に行われました。
口コミ情報の重視
最近の調査結果から、8割以上のハイキャリア人材が転職先を選定する際に口コミ情報を重要視していることが分かりました。具体的には、32.8%が「非常に重要視する」と回答し、50.8%が「ある程度は重要視する」としています。これは、転職先に対する信頼感や安心材料として、他者の経験や声が強く影響を及ぼしていることを示唆しています。
応募ルートの傾向
転職活動において、最も多く利用されていたのは転職エージェント(61.8%)で、次いで企業のホームページ(46.7%)、求人サイト(30.9%)という結果でした。この傾向から、ハイキャリア人材は専門的なサポートや、企業の公式情報に対して高い関心を持っていることがわかります。
面接プロセスへの希望
また、面接プロセスにおける希望を尋ねたところ、オンライン面接と対面面接の両方を希望する声が高いことも特徴的でした。特に「オンライン面接の方が多い」とする回答が37.5%を占め、対面面接の重要性を感じている人が多いことが伺える結果となりました。実に8割以上が「対面でのコミュニケーション」を求めており、本質的なやり取りを重視していることが強調されています。
生成AIの活用に関する意向
また、職務経歴書の作成においても生成AIを積極的に活用したいという意向が明らかになりました。実際、調査対象の7割以上が今後、生成AIを活用していきたいと考えており、最新のテクノロジーを取り入れる姿勢が見られます。
転職活動と業務パフォーマンスの向上
加えて、調査では転職活動が現職での業務パフォーマンスに与える影響も調べられました。その結果、約7割の回答者が「活動中に業務が向上した」と感じていることから、転職を検討することで仕事の効率や質が高まる要因があることが示されています。
繰り返し選考を行うスタイル
転職活動時に複数の企業に応募する傾向も明らかになりました。選考を受けた企業数は5社以内がほとんどで、特に3社(28.4%)が最も多く選ばれています。
相談先は配偶者が主流
また、転職活動を開始する際や決定時に相談相手として最も多く選ばれているのは配偶者・パートナーであり、配偶者が重要な意思決定プロセスにおいて大きな役割を果たすことがわかります。
調査を通してわかること
これらの結果から、ハイキャリア人材の転職活動は口コミ情報や信頼性の高い情報源を重視し、効率的に活動を進めながらも、対面での関係性やコミュニケーションを求める傾向が強いことが明らかとなりました。また、生成AIの活用意向も高まりつつあることから、今後の転職活動にはより一層のデジタル化が進むことが予想されます。社会や業界の変化に伴い、転職活動のスタイルはますます多様化し、個々のキャリア形成の手段としても進化を続けていくでしょう。