日本の老舗企業が100年続く理由
本書『100年続く老舗企業が大事にしていること』は、日本に存在する数多くの老舗企業の知恵と哲学を探求する新たな経営書です。著者、日比野大輔氏が率いる「100年企業研究会」は、伝統を重んじる企業がどのようにして100年という長い時間を乗り越えてきたのか、その秘訣を明らかにしようとしています。
世界の100年企業の半数は日本
興味深いことに、世界に存在する100年企業のうち、約半数が日本の企業であることが知られています。しかし、この事実にもかかわらず、それに関する学術的な研究はあまり行われていませんでした。本書はその空白を埋めるべく、実際の老舗企業のエピソードを基に、現場での人々の感情や組織文化を小説形式で描きながら、経営の知恵を理論的に整理しています。
小説仕立てで魅力を伝える
本書の一つの特徴は、小説という形式を用いていることです。従来の経営書では得られない、企業の裏にある「人」の感情や「組織」の情動をもリアルに表現しています。そのため、読者は感情に訴えるストーリーに引き込まれ、企業経営について深く考える機会を得ることができるのです。
経営知の体系化
また、著者はこれまで美談として語られてきた経営の知恵を、理論的な形で整理しています。これにより、ただ感動を呼ぶだけではなく、実務家にとっても役立つ具体的な知識として提示されています。感情面と実務面の両方からアプローチすることで、読者はより多角的な視点で経営を理解できるようになります。
著者の日比野大輔氏とは
著者の日比野大輔氏は、社会保険労務士として広く活動しており、100年企業研究会の代表理事を務めています。彼は全国の社労士と協力して、老舗企業の持つ経営哲学や人材育成の方法を現代に活かすための取り組みを行っています。また、労使関係の調整や人事制度の構築に関与しているため、実践的な知識を数多く有しています。
書誌情報
- - 書名:『100年続く老舗企業が大事にしていること』
- - 著者:日比野大輔
- - 出版日:2025年8月29日
- - 出版社:日本実業出版社
- - 価格:1,980円(税込)
- - 判型・ページ数:四六判・312ページ
- - ISBN-10:4534062095
- - ISBN-13:978-4534062093
この本は、単なる歴史の記録ではなく、日本の企業がどのように文化の中で成長を続け、未来にもつながっていくのかを考える上での重要な一冊です。老舗企業の姿から、私たちも何を学び取れるのか、興味をそそる内容が満載です。ぜひ手に取って、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。