明治の彩り展の概要
2025年10月25日(土)から、長野県東御市の丸山晩霞記念館で「明治の彩り展 ―水彩画全盛時代とその前夜―」が行われます。この展示会では、明治時代に西洋から導入された水彩画の技法が、日本人の自然への賛美をどのように表現したのかに焦点を当てます。
水彩画は、柔らかい色彩と日本的な情緒を融合させ、独自の魅力を生み出しました。出展される作品には、画家アルフレッド・パーソンズやアルフレッド・イーストといった日本を旅して描いたアーティストの作品をはじめ、三宅克己や丸山晩霞、吉田博、大下藤次郎など、水彩画の名手たちによる作品が含まれます。展示されるのは、約80点にもおよぶコレクションで、郡山市立美術館の所蔵や初公開の個人コレクションも含まれています。
スペシャルイベントについて
本展の特筆すべき点は、スタジオジブリで多数の作品に携わった美術監督の武重洋二氏が参加するスペシャルイベントです。武重氏による対談やワークショップ、コンサートなど、参加者が水彩美術の魅力を体感できる様々なプログラムが用意されています。
対話形式のイベント「水彩が紡ぐ空 ―アニメ背景美術と明治水彩」では、武重氏が宮崎駿監督とのエピソードや背景美術制作の裏話を語ります。その後、実際に背景美術がどのように描かれるのかを実演する様子も見ることができます。また、武重氏が制作した背景美術の原画も特別展示されます。
さらに、音楽と美術のコラボレーション・コンサート「彩りは響きに、響きは彩りに」も実施されます。水彩画にまつわる楽曲やジブリメドレーなどを楽しみつつ、映像と音楽の融合を体験できる貴重な機会です。コンサートの後に行われる抽選会では、前売券を持つ方の当選確率がアップする特典もあります。
ワークショップやギャラリートーク
ワークショップも充実しており、初心者でも楽しめる「水彩入門」や、雲を描く講座が開催されます。武重洋二氏による「雲を描こう」は満員御礼となっていますが、興味がある方は今後のイベントをチェックしてみてください。その他にも、11月30日(日)には初心者向けの「ぬり絵」や「絵葉書」教室が予定されています。
ギャラリートークでは、明治時代の水彩画に関する深い知識を持つ学芸員が、作品の背景や水彩の魅力について解説します。アートを通じて、観客と作品との距離を縮める貴重な機会となるでしょう。
開催概要
- - 会期: 2025年10月25日(土)〜12月14日(日)
- - 休館日: 10月27日(月)、11月4日(火)、10日(月)、17日(月)、25日(火)、12月1日(月)、8日(月)
- - 開館時間: 9:00〜17:00(最終入館 16:30)
- - 会場: 丸山晩霞記念館および東御市文化会館展示室
- - 入館料: 500円(高校生以上、お得な団体・身障者割引もあり)
長野県東御市にて、明治の水彩画の美しさを堪能するこの特別な展覧会とイベントにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。