東京メトロが初のアルミニウムリサイクルで環境負荷軽減に貢献

東京メトロが達成したアルミニウムの水平リサイクル

東京メトロ株式会社は、持続可能な社会の実現に向けて新たな一歩を踏み出しました。2024年度に始まった「アルミニウム車体の水平リサイクルに関する共同研究」により、同社は国内初となる地下鉄車両でのアルミニウムの水平リサイクルを成功させました。この成果は、半蔵門線の8000系から新設の18000系車両へのリサイクルを通じて実現されました。

アルミニウムリサイクルの意義

アルミニウムは新たな金属の製造時に多くのエネルギーを消費し、それに伴って大量のCO2が排出されます。リサイクルを行うことで、これらの環境負荷を大幅に削減できます。具体的には、リサイクルされたアルミニウムは新たな製造に比べ、CO2排出量を約97%も削減可能です。

共同研究の成果

東京メトロとその提携先であるメトロ車両株式会社、ホンダトレーディング、日本総合リサイクル、日軽金アクト、住江工業が協力し、プロジェクトは進展しました。廃車となった東京メトロ半蔵門線8000系車両の解体と分別が行われ、アルミ合金はそれぞれのグレードに分けられました。この結果、選別されたアルミスクラップは新しい車両の内装部品として再利用されることになりました。

環境負荷の削減

この水平リサイクルの取り組みにより、CO2の排出量を約8トンも削減することができました。このプロセスを通じて、新造車両の製造時にはエネルギー消費を減少させ、さらに脱炭素社会の実現に寄与しています。

未来への展望

東京メトロは、今後もこの技術を進化させていく意向です。特に、今後の新造車両においてはアルミニウムの水平リサイクルの適用範囲を広げ、さらに品質管理を徹底して、強度部材へのリサイクル利用を目指していきます。これにより、CO2排出量のさらなる削減が期待されます。

PR活動の展開

新しい18000系車両には、リサイクルプロセスを示したPRステッカーが掲出されます。「廃車車両→解体・選別→再溶解→車両部品製造→新造車両」という流れがビジュアル化され、多くの乗客にリサイクルの重要性を周知する役割も果たします。今後、東京メトロはさらに多くの車両でこの技術を活用し、持続可能な社会作りを進めていくことでしょう。