スペースシード、インドネシア協同組合省に提案を実施
スペースシードホールディングス株式会社(以下、スペースシード)は、2025年8月21日にインドネシア協同組合省への表敬訪問を行いました。この訪問では同省の事務次官であるAhmad Zabadi氏との意見交換が行われ、農業分野における協同組合主導のモデルに関する具体的な提案がなされました。
提案の背景
スペースシードは、日本の技術と資本を活用した一次生産からのアップサイクルに関し、農業分野での協同組合モデルの実装を目指しています。訪問時の議論では、特に「キャッサバからの高機能タピオカの生産」と「米の乾燥最適化と米ぬかの高度利用」という二つのテーマが提案されました。
1. キャッサバから高機能タピオカを作る提案
キャッサバを原料に、食品や製菓、飲料向けの高機能タピオカを生産する新たなプロセスが提案されました。この提案の特徴は、ゼラチン化や酵素改質を行い、低GI食品としても利用できる形に加工することです。また、環境面でも副産物の利用を考慮し、安全性が確保された製品を提供することを重視しています。
2. 米の乾燥最適化と米ぬかの高度利用
コメの処理においては、低温処理方法やヒートポンプ、ソーラーエネルギーなどの技術を活用し、経済的かつ効率的な方法が求められています。この提案では、米ぬかを安定化させ、健康機能成分を抽出して栄養補助食品や化粧品原料として利用することが取り上げられました。これにより、農家の所得安定化やフードロス削減が期待されています。
重要なポイント
協同組合モデルにおいては、集荷や品質基準、金融包摂に関する透明性が求められることが議論されました。これにより、安全性や機能性が保証され、消費者が安心して利用できる製品が提供されることを目指しています。また、国内市場と輸出の両方でブランドを構築するための戦略も重要です。
今後の活動
今後、インドネシアでは経済的自立と協同組合の強化が国家の重要な課題とされています。スペースシードは、PT AWINAと連携し、小規模農家の支援や地域ブランドの確立を図るために、さまざまな取り組みを進めていく予定です。
代表取締役のコメント
スペースシードの代表取締役鈴木健吾氏は、「協同組合を中核にし、地域の所得や消費者視点での価値を高める取り組みを進めることで、経済的自立に資する事業を小規模からでも実現していきたい」とコメントしています。今後もこれらの提案がインドネシアの農業業界に影響を与えることが期待されます。
最後に、スペースシードホールディングスは宇宙関連のディープテックベンチャービルダーとしての使命を持ち、2040年までに人類が宇宙で生活できるような技術の実現を目指しています。彼らの取り組みが、農業分野だけでなく、広範な社会課題の解決につながることに期待が寄せられています。