日本のAstemoが英国に大規模投資
英国政府は、先端製造業への投資を促進するプログラム「DRIVE35」の一環として、日本のAstemo株式会社が英国グレーター・マンチェスター州ボルトンに次世代EV向けのインバーター製造ラインを新設するために、約1億ポンドの投資を行うと発表しました。この投資は脱炭素社会の実現を目指した重要なマイルストーンになります。
DRIVE35プログラムの概要
「DRIVE35」は2035年までに英国の先端製造業への投資を増やし、持続可能な経済成長を図ることを目的としています。今回のAstemoによる投資により、英国およびEU市場向けの電動化製品の安定供給が期待され、ボルトン地域で約220名の雇用の維持と創出が見込まれています。これは、日英両国の強固な経済パートナーシップを更に深める一助ともなるでしょう。
経済政策の重点
現在の英国政府にとって経済成長は最重要な政策課題であり、新たな投資機会の開拓はその達成に不可欠とされています。アジア太平洋地域との貿易関係は1350億ポンド(約27兆円)以上の価値があり、今後の成長が期待されています。「DRIVE35」は、先日発表された産業戦略パートナーシップや「日英経済版2+2」、CPTPPの批准を基盤とし、年間20億ポンド(約4000億円)の経済効果が見込まれています。
支援プログラムの詳細
英国ビジネス・通商省は、特定の自動車メーカーおよびプロジェクトに対して3億ポンド(約600億円)超の支援を行うことも発表しています。これにより、ATF(自動車変革基金)を通じての約1億ポンド超の資本投資や、官民共同の研究開発投資として約1億4千万ポンド(約280億円)の支援が含まれています。
クリーンエネルギーへの貢献
グレッグ・ガードナー駐日英国大使館の貿易・対英投資ダイレクターは「Astemoによる大型投資は、日英間の経済パートナーシップの深化だけでなく、持続可能な自動車産業の未来を切り開く象徴的なものです」と述べています。この投資を通じて、英国は電気自動車市場へのサプライチェーンを強化し、脱炭素社会への移行をさらに推進することが期待されています。日本の高度な技術と英国の製造能力が連携することで、両国はより強固な経済的結びつきを形成していくことでしょう。
総括
Astemoの今回の投資は、日英経済パートナーシップの深化に寄与し、未来の持続可能な自動車産業の発展に大きな影響を与えることでしょう。両国が協力し合うことで、脱炭素社会の実現に向けた道が開かれつつあります。