キリンビバレッジと花王が物流協業をスタート、持続可能な輸送を目指す

キリンビバレッジと花王が手を組む新しい物流の姿

2025年2月から、キリンビバレッジ株式会社と花王株式会社が協力し、両社の物流拠点間において輸送業務の協業を開始します。この取り組みは、従来の輸送ルートをつなげることで、運送効率を向上させつつ、温室効果ガス（GHG）の排出を削減することを目指しています。

計画の背景と目的

現在、物流業界はトラックドライバー不足という深刻な問題に直面しています。この現状は、物流の停滞や輸送能力不足を引き起こしており、効率的な業務運営が求められています。そこで、キリンビバレッジと花王は業界の枠を超えた共創による持続可能な物流の実現に向けて取り組むこととなりました。

この協業は、いくつかの条件が揃ったことによって成立しています。具体的には、輸送実績データの利活用、戻り便での積載物量の確保、そしてつなげられる輸送区間が存在することです。この条件が整うことで、両社の片道輸送を組み合わせることができ、年間で300台以上の輸送トラックの効率化が可能になるのです。

具体的な輸送ルート

協業の具体的なルートは、花王の川崎物流センター（神奈川県）から更埴物流センター（長野県）へ、そしてキリンビバレッジの信州ビバレッジ工場から川崎物流センターへのトラック輸送を組み合わせたものです。特に、空車となる戻り便を利用することで、無駄のない効率的な物流を実現します。

環境への配慮と今後の展望

この取り組みによって、GHGの排出量も約15%減少することが見込まれています。輸送の効率化だけでなく、環境課題の解決にも貢献できる点が大きな特徴です。今後は、さらなる輸送効率の向上とGHG削減を目指し、共同輸送区間の拡大にも取り組んでいくとのことです。

キリンビバレッジと花王は、協業によって得られたノウハウを通じて、他の業界とも連携しながら社会課題に対する解決策を模索していく方針です。両社は今後も様々な物流課題に取り組んでいく意向を明らかにしています。