株式会社CrowdChemが2.9億円の資金調達を実施
株式会社CrowdChem(クラウドケム)は、2023年10月にプレシリーズAラウンドにて2.9億円の資金調達を行ったと発表しました。このラウンドでは、PKSHAアルゴリズム2号投資事業有限責任組合がリード投資家となり、その他の複数の投資家も参加しています。
この資金は、クラウドケムが提供する「CrowdChem Data Platform」のアルゴリズム強化とデータの拡充、さらに技術開発とプロダクト開発の加速を目的として活用されます。なお、CrowdChemは2022年に設立され、化学関連産業の課題を解決するために活動しています。
CrowdChem Data Platformについて
CrowdChemが運営するCrowdChem Data Platformは、独自に収集した化学関連のデータを基に、産業界のユーザーに対して有用な知見や知識を提供するプラットフォームです。このプラットフォームは、材料特性値の予測やレコメンド機能を搭載しており、迅速かつ精度の高い分析を実現しています。
特にリチウムイオン電池の分野では、機械学習モデルを用いたデータの連携によって、電極の構造や電解質の組成に関する情報が一つのフレームワークで統合的に分析できる点が特徴です。
今回の資金調達の背景
資金調達の背景には、CrowdChem Data Platformの提供開始以降、独自アルゴリズムを活用したカスタマイズ分析の案件が増加していることがあります。特に、海外からの引き合いも増えており、今後はデータ拡充の予測モデルを強化し、オペレーションの強化や海外データ収集チームの構築も視野に入れています。
技術への期待
CrowdChemが展開する技術は、化学業界における研究開発の促進や効率化を実現する可能性を秘めています。特に、異なる分野のデータを同時に学習し、原料やプロセスの転用可能性を予測するなど、化学メーカーの取り組みを支援する強力な武器として期待されています。
投資家の反応
今回の資金調達に関して、数名の投資家がCrowdChemの取り組みを高く評価しています。PKSHA Algorithm Fundの海老原パートナーは、CrowdChemの技術が化学品業界の研究開発において業務効率化に寄与すると自信を示しました。また、HIRAC FUNDの甚野ディレクターは、池端代表の深い業界知識や強い信念に感銘を受けていると述べています。
QRインベストメントの上田氏は、北陸地域とCrowdChemの取り組みが新しい成長の可能性を秘めていると評価しています。ANRIの宮崎氏も、CrowdChemのデータによる化学産業の活性化を期待しています。
今後の展望
CrowdChemは2024年10月には、従来のカスタマイズサービスを大規模にリニューアルする予定です。新サービスには、特許に含まれる実験データベースの実装、新素材の配合提案のランキング表示、さらには手持ちデータ不要で短期間にレポートを提供する機能が含まれます。このように、さらなる技術革新を通じて化学業界に貢献することを目指しています。
株式会社CrowdChemについて
CrowdChemは2022年1月に設立され、東京都品川区に本社を置いています。主な事業内容は、ソフトウェアの開発やデータ解析サービスの提供、及びコンサルティングです。公式ウェブサイトでは、CrowdChem Data Platformの詳細な情報や、エポキシ樹脂選定に関する活用事例も紹介されています。
公式サイト
具体的な使用事例はこちらに掲載されていますので、ぜひご覧ください。