NPO人材育成調査
2025-02-10 13:25:13

非営利団体のマネジメント人材育成の現状と課題を探る調査結果

非営利団体のマネジメント人材育成に関する調査結果



特定非営利活動法人ETIC.(エティック)が、社会課題の解決を目指す非営利団体のマネジメント人材育成状況について、広範な実態調査を実施しました。この調査は、2024年11月13日から12月12日の間に行われ、144団体が有効回答を寄せました。この結果から、現在のNPO法人が直面している人材育成の課題や、背景にある構造的要因を明らかにしました。

調査背景と目的



全国で49,582法人のNPOが活動している中で、彼らの事業は災害救助や教育支援、環境保全など多岐にわたります。しかし、これらの活動を持続可能に行うためには、質の高いマネジメント人材の育成が不可欠です。この課題に対する関心は高まりつつありますが、現実には多くの法人が育成に時間や資金を割けていないという問題があります。調査は、この実態を把握し、今後の施策を提言するために実施されました。

調査結果の概要



1. マネジメント人材採用の実態



調査によれば、年間一人当たりの採用予算は、5,000万円未満の小規模団体では90%が「5万円未満」と回答しました。中〜大規模団体でも、5万円未満の割合は50%以上で、予算不足が深刻な課題であることが浮き彫りになりました。

2. マネジメント人材育成の実態



育成予算に関しても、小規模団体の84.1%が「5万円未満」と回答。中〜大規模団体の6割も「10万円未満」とし、十分な資金を得られない現実が浮き彫りになっています。また、EC層や管理職の負担が大きく、育成に割ける時間がないことが主な理由として挙がりました。

3. 背景にある構造的要因



調査には自由記述の質問も含まれ、非営利団体特有の課題が指摘されました。業務が多岐にわたり、高度なスキルを持つ人材が給与に見合わないこと、育成ノウハウや体制が確立されていないこと、財政基盤が脆弱で長期の雇用が難しいといった声が寄せられました。

今後の施策に向けた提言



調査の結果を踏まえ、NPO法人の人材育成を「セクター全体の共通課題」と考え、支援体制や財政基盤の強化に取り組む必要があると提言しています。

具体的には、1) セクター全体の「資産」として育成を支援する体制作り、2) 組織基盤強化に向けた資金提供の見直しが求められています。

有識者からの声



立教大学の中原淳教授は、非営利活動の中での人材育成の難しさを語り、数値だけでは測れない活動の意義を伝え続ける重要性を指摘しています。また、NPO法人が組織の枠を超えて学び合う体制作りの必要性も強調されています。

結論



今回の調査結果は、非営利団体におけるマネジメント人材育成の現状を反映しています。これからの社会的課題解決に向けて、NPO法人が質の高いマネジメント人材を育成し、持続可能な活動を行うための支援体制や資金の確保が急務となっています。ETIC.はこの結果を基に、さまざまなステークホルダーと連携して改善策を進めていく方針です。


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会社情報

会社名
NPO法人ETIC.
住所
東京都渋谷区東1丁目1番36号キタビルデンス402
電話番号
050-1743-6743

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