全国の教員が集結!シンキングツール大研修会2025のレポート
2025年7月から8月にかけて、東京、仙台、大阪、福岡の4会場で「シンキングツール大研修会2025」が開催され、約500名の教員が参加しました。この研修会は、シンキングツールとロイロノートを駆使した教育方法を学ぶためのもので、幅広い地域から集まった教員たちがその可能性に挑戦しました。
教員の熱意が生んだ共鳴
参加者たちには、「シンキングツールをより効果的に活用したい」「授業での具体的な活用法を知りたい」といった強い想いがありました。研修会では、著名な教育者である黒上晴夫教授(関西大学)の基調講演に始まり、シンキングツールを活用した多様な授業づくりを試みるワークショップが行われました。
基調講演では、黒上教授が「シンキングツールは考えをつくり出すための道具であり、単に正解を導くためのものではない」と強調しました。思考を深めるためには、生徒が自分の考えを構築し、対話を通じてその思考を深化させる必要があると説きました。このプロセスを支援することが、真の学びにつながるのです。
授業設計の新たなアプローチ
具体的には、授業設計には生徒の思考を段階的に促すための二段階の問いが不可欠であると述べられました。第一の問いはアイデアや情報を可視化するためのもので、第二の問いはその情報から生徒自身の考えを生み出すきっかけを提供します。こうすることで、生徒の主体性が育まれ、教室に「思考の文化」が根付くのです。
さらに、講演では複数のシンキングツールを効果的に組み合わせることが大切であるとも指摘されました。「ロイロノート」は、その便利さから学びの流れを一貫して可視化する最適なプラットフォームとしてその真価を発揮します。
対話が生む新しい授業のカタチ
ワークショップでは、アドバイザー資格を持つ教員たちが様々な実践事例を紹介し、参加者が実際にシンキングツールを使ってみる機会もありました。参加者同士の積極的なディスカッションを通じて、明日の授業に役立つアイデアが次々と生まれました。
また、参加者からのアンケートによると、4都市での研修の満足度は全体で90%を超え、多くの参加者が満足感を得ていました。この共鳴が全国的な教育の質を向上させる結果につながることが期待されます。
参加者の声から見る学びの実践
各会場から寄せられた参加者の声も、研修の効果を物語っています。東京からは、「他校の取り組みを見たりアドバイザーに質問できたことが素晴らしかった」との声があり、仙台の参加者は「実践的な考えを持つことができた」と語りました。大阪では、指導案作成のセッションでのアドバイスが助けになったという意見もあり、福岡の教員は今回の経験を今後の教育に活かしたいと意気込んでいました。
シンキングツールを学ぶ冊子の無料配布
更に、従来のマニュアル冊子を改訂した『シンキングツールを学ぶ Vol.2』が無料で配布されることになりました。この冊子では、考えをつくり出す授業デザインのポイントや各教科での活用例が詳しく説明されています。また、ロイロノートを使って児童生徒主体の授業をデザインする教員「ロイロ認定ティーチャー」の認定制度も2025年度の審査受付が開始されます。
このように、シンキングツール大研修会2025は、教員同士のネットワーク形成やアイデアの共有を促し、今後の教育実践に向けた新たな一歩となることが期待されています。未来の教育がどのように進化していくのか、参加した教員たちの挑戦が注目されます。