朝霧JAM'25で特別な音楽体験を提供した忌野清志郎ROCK‘N’ROLL DREAMERS

朝霧JAM'25の感動的な夜

毎年恒例の秋の野外フェスティバル、「朝霧JAM'25」が10月18日から19日まで、富士山麓の朝霧アリーナで盛大に開催されました。

今年のフィナーレを飾ったのは、忌野清志郎ROCK‘N’ROLL DREAMERS。清志郎の音楽がテーマとなり、観客もステージ上のミュージシャンも、音楽の楽しさに浸る素晴らしい空間が広がっていました。会場には、雨が降り続く中、夜7時を迎えるにあたり、特別なアーティストたちが次々と登場しました。

MCを務めた高橋ROCK ME BABYは、エレガントでパンクな雰囲気をまとって、会場を盛り上げて行きます。最初にフィーチャリング・アーティストとして呼び込まれたのは、松尾レミの代役を務める釘屋玄と、GLIM SPANKYのギタリスト亀本寛貴。彼らの演奏で始まった「ベイビー！逃げるんだ」は、ロックの野性を感じさせ、会場がひとつに盛り上がりました。

その後、RCサクセションのヒット曲「つ・き・あ・い・た・い」へと続き、長髪に華やかなメイクを施したマツシマライズのギタープレイが、激しくも美しいロックンロールを生み出します。真っ赤な帽子と清志郎を彷彿とさせる赤シャツを身にまとったサックスの梅津和時が参加し、観客を魅了しました。

YO-KINGが登場し、浸透するようなイントロなしで「ぼくとあの娘」を歌い上げ、観客の心を掴みます。彼の歌声は、RCサクセションファンの心に響き、独特のバランス感覚を表現。その後の「風に吹かれて」では、山口洋と片平里菜がボブ・ディランのカバーを披露し、その内容は現在の世の中の不安を訴えかけるものでした。

続いて、田島貴男が登場し、「スローバラード」を歌い上げ、観客の心を掴みます。彼のパフォーマンスはまるで宇宙のような広がりを見せ、ライブはすべての観客に祝福の空間を提供しました。

そして、ステージのクライマックスに、ダイヤモンド☆ユカイ率いるRED WARRIORSが登場。彼らの演奏で始まった「ドカドカうるさいR& Rバンド」はオーディエンスの心に火をともすような情熱で、見事なパフォーマンスを展開しました。

皆が集まってやがて、最後のセッションが始まります。ダイヤモンド☆ユカイと片平里菜が「イマジン」を共に歌い、観客全体が一体となる瞬間が生まれました。夢が平和であること、そして平和が夢の始まりであることを再確認する瞬間でした。

イベントのフィナーレは、全員で「雨あがりの夜空に」を歌い上げ、年齢や国籍を超えた一体感が漂いました。MCの高橋ROCK ME BABYがダイヤモンド☆ユカイにマントをかけると、なんと彼が右手を骨折していたことが明かされ、参加者全員が驚きました。

それにもかかわらず、彼の情熱的なパフォーマンスはまさに「ROCK‘N’ROLL GREATEST！」と言えます。このトリビュートライブは、ただの音楽イベントではなく、心から楽しめる体験型のセッションとして、来年のFUJI ROCK FESTIVALでの再会が待ち遠しい限りです。