紫外線による目の日焼け対策が求められる今、意識はどこにあるのか

紫外線と目の健康に関する調査結果

最近行われたジョンソン・エンド・ジョンソンと日本気象協会の共同調査によると、紫外線の影響を実感しているものの、特に目の日焼けについての知識は不足していることが明らかになりました。全国の10代から50代までの1123名が対象となったこの調査は、紫外線対策や目の日焼けに対する意識を探ることを目的としています。

紫外線量の実感と対策

調査によると、紫外線の強さを実感する人は全体の51.2%に上り、その中でも「大きく増えたと感じる」と回答した人は20.2%、そして「少し増えたと感じる」は31.0%でした。さらに、気象庁のデータによると、過去30年間で「非常に強い」紫外線レベル（UVインデックス）が倍増したことから、私たちの日常における紫外線対策が急務であることが浮き彫りとなっています。

コンタクトレンズについては、多くの製品が紫外線カット性能を持つものの、実際に紫外線カットを意識して選んでいる人は約10%しかいないことも報告されています。さらに、目のケアに関しては、約66.2%の人が「何をすれば良いか分からない」と感じている状況が確認されました。

目の日焼けに関する認知度

『目の日焼け』という言葉自体は浸透しつつあるものの、その詳細についてはまだ多くの人が不明です。調査結果では、『目の日焼け』の影響として「白内障の原因になる可能性がある」と認識している人は23.9%に対し、さらなる疾患の可能性については「瞼裂斑や翼状片につながる」と理解している人は14.4%に留まりました。半数以上の人が紫外線が目に及ぼす影響について知らないという現実が明らかになったのです。

通勤・通学時の無防備

特に毎日の通勤や通学時において、サングラスや帽子を外してしまう瞬間に無防備であることが懸念されています。約30%の人が通勤・通学中に紫外線対策アイテムを外すことがあると答えており、これが潜在的なリスクを高めている可能性があります。このような状況の中でも、将来の目のケアの重要性を理解している人は多いものの、実際に行動に移す人は少ないため、その解決が求められています。

紫外線対策のアイテムの多様化

現在、紫外線対策に用いられるアイテムの選択肢も増加しています。調査では、日焼け止めクリームを使用している人は約47%、日傘使用者は33.9%、帽子やサンバイザーは33.6%との結果が出ており、これらのアイテムは一定の定着を見せています。しかし、サングラスや長袖の衣類など、さらなる対策ができている人はまだ限られていることも示されています。

新たな対策として、UVカット性能付きのコンタクトレンズについても注目されていますが、実際に活用している人はわずか4.5%であり、今後の普及が期待されています。これらの結果から、紫外線対策に向けた意識の向上とより効果的なアイテムの利用が急務であることがわかります。

専門家の意見

金沢医科大学の佐々木洋教授は、目が紫外線を浴びることによるリスクは多岐にわたり、急性と慢性の障害が存在することを指摘しています。日常的に紫外線対策を行う重要性を説き、帽子やサングラス、UVカットコンタクトレンズを使った複数の対策を組み合わせることが望ましいと述べています。また、気象予報士の安齊理沙さんも、紫外線対策の必要性を強調し、忘れがちな目の日焼け対策にも意識を向けるべきと指摘しました。