廃棄木製パレットが生まれ変わる
毎年、日本国内では約3400万から4400万枚もの木製パレットが廃棄されています。この物流用資材から、株式会社ペーパーハウス社が新たな取り組みを行っています。千葉県袖ケ浦市に拠点を置くこの会社は、木製パレットをバイオ燃料である木質ペレットへとリサイクルする「パレットペレット」を開発し、今冬から全国の倉庫型スーパーで販売を開始しました。
カーボンニュートラル燃料としての可能性
近年、世界的にエネルギー資源が逼迫し、燃料価格が高騰しているため、代替エネルギーであるバイオマス燃料への関心が高まっています。中でも、木質ペレットはカーボンニュートラルな燃料として注目されています。これは燃焼過程で発生するCO2が、木材が成長する過程で吸収された量とほぼ等しいためです。
木質ペレットは、乾燥した木材を粉砕・圧縮して作られ、直径6~8mm、長さ5~40mmの円筒形をしています。燃焼効率が非常に高く、灰や煙が少ないため、多くの家庭や施設に採用されています。
「パレットペレット」誕生の背景
廃棄される木製パレットを目にして、持続可能な資源利用について考え始めたのがプロジェクトの始まりです。木質ペレットの製造業者とのつながりが生まれ、廃棄パレットを原料とすることが現実のものとなりました。特に乾燥工程を省くことができたことで、短期間での生産が実現しました。
ただし、木質ペレット自体の認知度が低く、需要が確保できるかは未知数でした。その矢先に、取引先のスーパーがペレットストーブの専売契約を結んだことで、需要の見込みが立ちました。この決定は、ペレット燃料の本格販売を後押しする大きな要因となったのです。
環境に優しい燃料の特長
「パレットペレット」は、無垢材の廃棄パレットを原料とし、接着剤などの添加物が一切含まれていません。そのため、高い発熱量と少ない煙、そして匂いを特長としています。主にペレットストーブや屋外用の二次燃焼ストーブに利用され、環境に優しい選択肢となっています。
また、ペレットストーブは高効率で発熱量が大きく、ほとんど煙が出ないため、家の中でも安心して使用できます。一方、二次燃焼ストーブは、発生した煙を再燃焼させる仕組みとなっており、高火力を実現しています。
未来に向けた取り組み
株式会社ペーパーハウス社の代表は「私たちの第一歩は廃棄パレットの再利用から始まります。物流業界を支えるだけでなく、環境に貢献できる形が理想です」と語っています。再生可能な資源を無駄にするのではなく、持続可能な社会を目指すという理念が根付いています。
「パレットペレット」の販売は、会員制の倉庫型スーパー全店舗にて行われており、広範囲な顧客に向けて環境に優しいエネルギーを提供します。今後も、ペーパーハウス社はエコで持続可能な社会を実現するための新たな取り組みを続けていくでしょう。
商品詳細
- - 寸法: 直径6mm、長さ5mm~20mm
- - 包装サイズ: 幅×奥×高 (cm) 35×52×8.25
- - 材料: SPF材(スプルス・パイン・ファー)の針葉樹3種類混合
- - 販売サイト: ペーパーハウス社公式
「パレットペレット」が次世代の燃料として、日本全体での持続可能な環境作りに貢献することが期待されています。