教員向け研修「探究スタートアップラボ」始動
認定特定非営利活動法人カタリバが、探究学習に取り組む教員向けの研修プログラム「探究スタートアップラボ」2025年度の参加校募集を開始しました。このプログラムは、教員が探究学習をより効果的に推進できるよう、カリキュラム開発や組織体制の構築に必要なスキルや知識を提供します。
現状とニーズ
探究的な学びへのニーズは高まっていますが、教員の90%が何らかの課題を抱えています。これは2022年度の高等学校学習指導要領で自ら課題を設定し、実践的な学びを行う「総合的な探究の時間」が必修化されたことが影響しています。さらに、大学入試においても「総合型選抜入試制度」が広がり、入学する学生の数が増加しています。
しかし、教員たちは探究学習を授業に取り入れる際に、多くの困難に直面しています。具体的には、カリキュラム設計の難しさ、指導方法の不明瞭さ、校内での推進体制が整っていないといった問題が挙げられます。カタリバの調査では、92%の教員が探究学習の推進に課題を感じていることが明らかになりました。
カタリバの役割
カタリバは、東日本大震災を受けた福島の「ふたば未来学園」での取り組みから約10年のノウハウを蓄積し、学校の探究授業を支援しています。特に、地域との連携を重要視し、オリジナルな教材を作成するプロセスを通じて教員と共同で授業を設計しています。
探究学習を進める中で、教員同士の連携の欠如や校内の体制不足が障壁となっていることが多くの現場で見受けられます。このため、カタリバは教員がチームを結成し、組織的に探究学習を進めることの重要性を強調し、2024年度から「探究スタートアップラボ」をスタートしました。このプログラムは、複数の教員が共に参加する形式を取り、カリキュラム・マネジメントの方法や組織的な推進手法を学ぶことを重視しています。
参加教員の声
参加した教員からは、「進学校の生徒だけが探究に取り組むものと考えていたが、我が校でも多くの可能性があることに気づいた」や、「探究的な学びを生徒に提供するために、まず教員自身が探究的になる必要がある」といった声が寄せられています。また、他校の教員とネットワーキングできたことで、さらなるモチベーション向上が図られたとの報告もあります。
応募概要
「探究スタートアップラボ」への参加は、主に高等学校の教員や教育委員会関係者を対象としており、管理職を含む3人以上での申し込みが求められます。全3回の研修への参加は必須です。説明会はZOOMを通じて行われ、応募受付は2025年6月20日までとなっています。詳細な日程は資料請求後にご案内します。
2025年度のスケジュール
第1回: 2025年5月27日(火)19:00〜20:00
第2回: 2025年6月2日(月)19:00〜20:00
支援団体について
カタリバは、2001年に設立された教育NPOで、未来を自ら創り出す力を育むことを目指しています。現在も全国で多様な教育支援活動を展開し、探究学習の推進に寄与しています。詳細な情報は公式ウェブサイトでご覧いただけます。