MicrosoftとDELLが推進するAIによる在宅医療改革の成功事例
日本マイクロソフトとデルによるAI在宅医療改革
近年、AI技術の進化により、さまざまな分野で業務改革が進められています。その中でも特に注目を集めているのが、在宅医療を支援するためのAIソリューションです。株式会社日本AIコンサルティングが発表したプロジェクトでは、MicrosoftとDellの協力によって、在宅医療現場での業務効率化が実現しました。このプロジェクトで開発されたAIアプリケーション『D-Medical』がいかにして医療現場の負担を軽減し、患者様へのサービス向上に寄与したのか、その詳細を見ていきましょう。
プロジェクトの背景
宮崎県宮崎市の船塚クリニックでは、限られたスタッフで1日あたり10~20件の訪問診療と外来診療を行っています。医師2名、看護師4名という少人数で、訪問診療のスケジュール計画や診療記録の作成、在宅療養計画書の作成といった業務が大きな負担でした。これらの業務には慣れや効率が求められ、その結果、多くの時間と労力が割かれています。そこで、船塚クリニックの日高先生は「Project+」という共創プログラムに参加し、AI技術を導入することを決意しました。
AIアプリ『D-Medical』の導入
『D-Medical』は、訪問医療の現場が抱える具体的な課題に対処するために開発されました。このアプリは、以下の3つの主要な機能を備えています:
1. 訪問ポインタ(スケジューリング支援)
地図を用いた経路表示と訪問先の分類が可能になり、計画業務の透明性と標準化を促進します。これまで1日かかっていた訪問ルートの作成が数分で完了し、担当者への依存も減少します。
2. 訪問記録(リアルタイム文字起こし+生成AI整形)
訪問診療中、電子カルテ用PCとCopilot+ PCの2台を使用し、患者様の同意を得た上で会話をリアルタイムで文字化します。そして、生成AIがその内容を整形し、カルテに適した形式にまとめます。これにより、医師は患者の状態観察に集中できるようになります。
3. 在宅療養計画(AIによる下書き生成)
訪問記録に基づいて、AIが自動で在宅療養計画書の下書きを作成します。これまで医師が180名分のカルテを手作業でまとめていた負担が軽減され、対応工数が大幅に削減されました。
このように『D-Medical』は、効率化を図りつつ、患者様とのコミュニケーションを向上させる力を持っています。
エッジAI技術『IB-Link』の役割
このプロジェクトの基盤となるのが、株式会社日本AIコンサルティングが開発したエッジAI活用基盤『IB-Link』です。『D-Medical』は、オフライン環境でも機能する堅牢なAIアプリケーションとして、医療記録や個人情報を安全に扱うことが可能です。デルのCopilot+ PCで動作するこの技術により、従来のクラウド型AIでは実現できなかった高いセキュリティが保たれます。
特に、医療現場でのデータプライバシーの重要性から、『IB-Link』のオフライン処理能力は強力なアドバンテージ。ユーザーはクラウドにデータを送らずにAI機能を活用できるため、安心してシステムが運用できます。
未来への展望
AI技術が医療における実用性を高める中で、今後もエッジAIは様々な業種、業務領域へと拡大していくことが期待されています。日本AIコンサルティングは、国内企業の生産性向上を促進するため、引き続きAIソリューションの開発と提供に尽力します。今回のプロジェクトが示すように、業務の負担を軽減し、医療現場のクオリティを向上させるAI導入の成功事例は、他の業種への波及効果も期待できます。今後もさらなる情報発信や開発セミナーを通じて、多くの企業が取り組むAI活用の道を切り開いていくことでしょう。
会社情報
- 会社名
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株式会社日本AIコンサルティング
- 住所
- 大阪府吹田市豊津町1-31
- 電話番号
-
06-6369-7870