ざわザワ高校哲学対話の集大成
2026年3月1日、福井環境研究開発が主催する「ざわザワ高校 ~海の未来をつなぐ哲学~」の第9回授業が福井市の福井テレビ大スタジオで行われ、12人の高校生たちが哲学者やジャーナリストと共に「君はどう生きるのか」というテーマで対話を重ねました。
このプログラムは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために「日本財団『海と日本プロジェクト』」の一環として行われており、海を通して人と人がつながることを目的としています。
哲学対話の特徴
授業の冒頭では哲学講師の岩内章太郎先生が、討論と対話の違いについて語りました。討論は競争の場である一方、対話は全員で合意を目指す協力の道であると説明しました。ざわザワ高校の授業では、参加者が互いに意見を尊重し、自分自身の思考を深める「対話」を重視しています。
授業の振り返り
今回の授業では、過去の哲学対話を振り返りつつ、各自が事前に執筆したエッセイを発表しました。これまでのテーマには「嫉妬」、「不安」、「幸せ」、「つながり」、「退屈」、「自由」があり、それぞれの対話を通じて参加者たちは人間の感情や社会の現実を掘り下げてきました。
第一回の「嫉妬」では、自身の体験を話すことで感じる劣等感を浮き彫りにし、第二回の「不安」では、成長の糧となる不安と無駄な不安の違いなどを見つけ出しました。地域の未来を考える対話は、海岸地域での重要な課題とも結びついています。
「君はどう生きるのか」
最終的なテーマである「君はどう生きるのか」について、それぞれのエッセイは一人ひとりが発表されました。発表された言葉には、海を大切にする思いや、歴史を通じて平和の重要性を伝える意欲など、多様な考えが反映されていました。これらの言葉は、参加者がこれまでの対話から得た気づきを表現しており、議論はさらに深まっていきました。
参加者の一人、ぐむすけは「助け合いの精神から海の資源の所有権についての問題にまで話が及んだ」と、その対話の幅広さについて語りました。
卒業と成長
最後に、3年間参加し続けた生徒たちがインタビューを受け、自身の成長を振り返りながら語り合いました。彼らは、哲学対話を通じて自分の意見を向上させ、他人の意見に耳を傾ける力を育んだと感じています。
「堀さんのような一流のジャーナリストと議論できたことは必ずこの先、大きな糧になるでしょう。胸を張って生きていきたい」と語り、高校生たちにエールを送った岩内先生。授業は、彼らの新たな出発を祝う晴れやかな終わりを迎えました。何気ない日常の中での「私に向き合う時間」を大切にしてきた高校生たちの言葉は、私たち自身にも「どう生きるのか」を考えさせるきっかけとなりました。彼らの未来が、海のように広がっていくことを期待しています。