飯綱町の「リンゴ染め」が世界の舞台へ
長野県の飯綱町で行われている「リンゴ染め」プロジェクトが、2025年3月に開催されるパリ・ファッションウィーク中のファッションショーに出展される運びとなりました。このプロジェクトは、地元で生産されるリンゴの農業廃棄物を利用して染色した独創的な衣装が披露されるもので、特に注目されているのは、「再倖築」というデザイナーグループとのコラボレーションです。
地元の素材で生まれた新しい価値
「再倖築」は古着を用いたリメイクファッションを得意とする新鋭ブランドで、既存の素材から新たな価値を創出することを理念としています。その活動は、固定概念を打破し、自由なファッションの可能性を追求することに基づいており、持続可能な未来を目指す現代のニーズにも応えています。
飯綱町の「リンゴ染め」は、町特有の老木、剪定枝、そして廃棄されるリンゴを利用した染料を使っています。このアプローチは、環境に優しいだけでなく、地域資源を活用した持続可能なファッションの実現を目指しています。
プロジェクトの立ち上げ
このユニークなプロジェクトの推進役は、飯綱町地域おこし協力隊の原口さんです。彼は、町のミュージアムでの学芸員としての経験を活かし、リンゴ栽培に伴う農業廃棄物を活用することに注目。リンゴに新たな価値を見出し、世界中にPRしたいという思いから、このプロジェクトを開始しました。妻である麻希さんの出身地である鹿児島県奄美大島の伝統的な「大島紬」をブランド化する活動を通じて、パリのショーに参加予定の「再倖築」と出会い、リンゴ染めの採用が決定しました。
染め作業は、飯綱町で40年の歴史を誇る「苹果染グループ」が担当し、専門的な技術と知見を駆使して美しい色合いに染め上げています。
パリでのプレゼンテーションと地域活性化
さらに、飯綱町では、ファッションショーでの衣装を基にした展示会も計画しています。この展示会は2025年秋にいいづなアップルミュージアムで開催される予定で、ショーの雰囲気を再現したランウェイショーや衣装の展示が行われる予定です。地域の活性化と町民への還元を念頭に置いたこの取り組みは、多くの人々に飯綱町の魅力を伝える機会となるでしょう。
「再倖築」とは
「再倖築」は、代表の田尻永太氏をはじめとする5人のチームから成るファッションブランドで、古着を再利用したリメイクを通じて持続可能なファッションを追求しています。彼らは常に新しいデザインを生み出し、他にはない唯一無二のスタイルを提供しています。このプロジェクトとのコラボレーションにより、飯綱町のリンゴ染めは国際的に注目される存在となるのです。
ひとこと
これからの活動に期待が寄せられる飯綱町のリンゴ染めプロジェクト。地域の環境を意識し、伝統と革新を融合させたファッションは、世界を舞台にどのようなインパクトをもたらすのか、目が離せません。