弥生株式会社と筑波大学の共同研究
2023年10月、弥生株式会社(以下、弥生)が筑波大学との提携を発表し、自然言語処理の分野において共同研究を開始しました。この提携は、両者が持つ専門知識とリソースを活かし、AIを導入した経営支援の新たな価値を創出することを目指しています。
弥生は「中小企業を元気にすることで、日本の好循環をつくる」という理念のもと、バックオフィス業務を支援するソフトウエア「弥生シリーズ」を提供しています。このソフトウエアは、中小企業の日々の経営活動を支える役割を果たしており、これまでに350万以上のユーザーに利用されている実績があります。
近年、ビジネスのデジタル化が進む中、企業が抱える課題の解決にはAIの導入が不可欠となっています。特に中小企業においては、経営効率を高めるためのサービスが求められており、弥生はこのニーズに応えるべく、2023年10月にR&D(研究・開発)室を設立しました。この新しい研究室は、弥生に蓄積された経済・会計データの利用方法を模索し、さらにはAI技術を活用した新たなサービスを開発することを目的としています。
共同研究には筑波大学のシステム情報系に所属する宇津呂武仁教授が研究代表者として参加しています。研究の焦点は、経済・経理情報が含まれた自然言語文書の理解手法についての検討であり、これにより業務効率化や経営支援の新技術の開発を図ります。
また、両者は2025年3月に開催される言語処理学会第31年度大会(NLP2025)への参加を予定しており、そこでの論文発表を通じて、共同研究の成果を広く発信する予定です。この研究によって得られた知見は、今後「弥生 Next」を始めとした弥生の製品に組み込まれ、実際の経営支援へとつながることが期待されています。
弥生のCTOである佐々木淳志氏は、「企業、とくに中小企業におけるAIの経営活用はますます必要性を増しています。弥生がこれまでに蓄積してきたデータは、顧客の日常の経済活動の貴重な記録です。筑波大学との共同研究を通じて、弥生製品を利用する顧客の経営パートナーとして役立つAI機能の実現を目指します」とコメントしています。
筑波大学とのこの共同研究により、弥生は日本のスモールビジネスを支え続け、経済全体の活力向上に寄与することを目指しています。今後も両者の取り組みから目が離せません。
弥生株式会社の概要
弥生は1978年に設立され、東京都千代田区に本社を置く企業です。947名の従業員を抱え、業務ソフトウエアや関連サービスの開発・販売・サポートを行っています。日本経済を支える中小企業に対して、技術を駆使した支援を行うことで、新たな価値を提供し続けることが期待されています。
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