地域の心の支えとなる「きっかけドロップス」
岡山県津山市に位置する社会医療法人清風會は、「住み慣れたまち。ここで、一緒に、自分らしく。」という理念のもと、地域住民の心の健康を促進する活動を展開しています。最近増加している孤独感や心の不調、さらには自殺といった深刻な問題に対して、地域全体で互いに見守る重要性に気づき、積極的に行動しています。
当法人の身心医療課では、「命の門番」とも称されるゲートキーパーの養成講座を、津山広域圏の勝央町、奈義町、鏡野町で行っています。その中で、特に注目を集めているのが、オリジナルプロダクト「きっかけドロップス」です。このドロップスは、声をかけにくい人々に対する新たなコミュニケーションツールとして、多くの参加者に利用されています。
「きっかけドロップス」の理念と実践
「きっかけドロップス」とは、参加者が持つ一粒の飴です。「ひとつは自分に、ひとつは気になる人にあげる」というコンセプトで作られています。また、ドロップスには「二つの飴が心を支えるきっかけになりますように」という願いが込められており、その独自のアプローチが地域のメンタルヘルスに大きな影響を与えています。
この活動では「大丈夫?」と声をかけることに不安を感じる参加者でも、「あめ食べる?」と言うだけでスムーズな会話が始まります。人とのコミュニケーションのハードルを下げるこのドロップスは、日常生活の中での小さなきっかけを作ることに寄与しています。
心の見守り活動の成果
勝央町で開かれたゲートキーパー養成講座では、約100人の参加者が集まり、「やさしい心配りとサポート」について学びました。参加者からは多くの感想が寄せられ、「きっかけドロップスを使うと、気軽に声をかけやすくなるということがわかった」といった意見が見受けられます。また、講座を通じて、参加者が心のSOSに気づく第一歩を踏み出す手助けともなっています。
地域のつながりを広げる取り組み
清風會の身心医療課は、地域住民との信頼関係を基盤に心の健康づくりに力を注いでいます。これまでの活動成果を生かし、新たな医療と介護の連携を目指し、住民が安心して暮らせる環境を整えています。今後も「住み慣れたまちで、自分らしく生きる」という理念を実現するため、活動を続けていく予定です。
社会医療法人清風會は、1956年に設立されて以来、地域に根差した医療サービスを提供し、包括的な支援体制を整えています。参加者の心身の自律と健康を育むことを目的に、今後さらなる「きっかけドロップス」の広がりを期待しています。
おわりに
濃厚で暖かい心の見守りを育む「きっかけドロップス」は、地域に新たなコミュニティの光をもたらしています。皆さまもぜひ、この活動に参加して、心の交流を楽しんでみてはいかがでしょうか。温かい支えがあれば、私たちはもっと自分らしく、安心して生きていけるのです。やさしい見守りの輪を広げることが、「きっかけドロップス」の真の目的です。