約9割が感じるAIとの業務システム連携の課題とMCPの必要性

概要

クラウドエース株式会社が実施した企業意識調査によれば、約9割の企業がAIを業務システムと連携させる際に課題や不安を感じていることが分かりました。特に、セキュリティ面の懸念が顕著で、94.6%の回答者がMCP（Model Context Protocol）のような標準規格の必要性を認識しています。

調査の背景

この調査は、AIと業務システムの連携において様々な悩みを抱える企業の情報システム部門やAI活用推進部門の担当者を対象に行われました。調査期間は2025年7月28日から同年7月29日まで、合計110名からの有効回答が得られました。

AIと業務システム連携の現状

調査の結果、AIが業務システムにアクセスして情報を取得し作業を行うことに対して、約89.1%の担当者が「非常に感じる」または「やや感じる」と回答しました。具体的には、↓

- 非常に感じる：37.3%
- やや感じる：51.8%

このような課題を感じる理由として、60.2%が「セキュリティやガバナンスに不安があるから」と答えています。また、51.0%は「AIツールやシステムの独自仕様によるロックインの発生」を懸念しています。これらから、複数のAIツール間での連携が難しくなり、企業は適切な対応を取ることが難しいのが現実です。

MCPの必要性と普及の道

さらに、MCPに関しては93.7%が認知しており、95.5%がMCPのような共通プロトコルの普及に関心があることがわかりました。特に関心の高い理由としては、「複数のAIを柔軟に組み合わせることで業務自動化が可能になる」との声が59.6%を占めています。

この調査結果は、MCPの導入や普及には、導入しやすい開発ツールやSDKの整備が62.7%に上る支持を得ており、非常に重要な課題であることを示しています。他にも「他社の導入事例・ユースケースの可視化」や「国や業界団体による標準化の推進」が42.7%の支持を受けました。

導入への不安と今後

しかし、MCPの導入にあたり、セキュリティ管理が難しそうや専門知識が不足しているという不安が52.7%、41.8%を占める結果となりました。これらの課題を克服し、安心してAIを業務に活用するためには、しっかりとした支援体制が求められます。

まとめ

調査によると、自社のAI活用に対する期待と同時に、懸念も高まっていることが確認されました。企業がAIと業務システムを効果的に連携させ、真の価値を見出すためには、MCPのような標準規格の普及が待たれます。そして、それを実現するためのサポート体制の構築が不可欠です。この調査結果は、生成AIが単機能からシステム間連携へと進化する中で、市場や企業の意識を大きく変えていくものと期待されます。