株式会社オカムラが展開する学習家具「mirumio(ミルミオ)」と収納家具「WAKERS(ウェイカーズ)」が、来る2025年度グッドデザイン賞を受賞した。この賞は、公益財団法人日本デザイン振興会によって1957年から始められたもので、日本国内で唯一の包括的なデザイン評価体系である。オカムラは1962年に初めて受賞し、以降59年にわたり継続して受賞し続けていることからも、そのデザインの質の高さが伺える。
学習家具「mirumio」の特長
「mirumio」は、「子どもの成長に伴走する家具」をテーマにした学習デスクとチェアで、小学生から高校生まで長く使えるよう設計されている。この家具は子どもの体の成長に合わせて、簡単に高さ調整ができるため、使用者の成長に柔軟に対応できる点が大きな特長です。オカムラの豊富なオフィス家具の開発経験を活かし、人間工学に基づいたデザインが施されており、学習効果を最大化するための姿勢を導き出してくれる。
特に、子どもっぽいデザインは排除し、大人になっても使い続けられるシンプルな美しさが魅力となっている。これまでに第6回「日本子育て支援大賞2025」と第19回「キッズデザイン賞」を受賞するなど、多方面から評価を受けている。
収納家具「WAKERS」の特長
一方、「WAKERS」は道具や文具を美術品のように飾ることができる新しい形の収納家具である。従来の収納家具ではなく、創造力を刺激する道具として設計されている。デザインは太刀川英輔氏が率いるスタジオ「NOSIGNER」とのコラボレーションによって実現され、特に「BOX」と「WALL」という二つの形態がある。
「BOX」は、閉じた状態でアートのような存在感を持ち、開くことで作業スペースに早変わりする。また薄さを追求したデザインが特長で、横幅の狭さと細部へのこだわりが生かされている。そして「WALL」は有孔ボードのフレームに道具を飾ることができる点が魅力で、簡易的な額縁のように見え、周囲の薄いエッジが道具を際立たせる。このように、道具収納の新しいスタイルを生み出している。
デザイン賞受賞の意義
グッドデザイン賞は、デザインの力で生活や社会をより良くすることを目指し、多様なデザイナーや企業が参加している。オカムラがこの名誉ある賞を受賞したことは、同社のデザイン哲学が広く認められた証であり、今後の家具設計における新たな方向性を示すものである。特に家庭での学習環境の重要性が高まる中、子どもたちがより良い学びを経験するための環境設計に寄与する製品であると言える。
オカムラは、今後も子どもたちの未来を支えるため、さらなる革新を目指して取り組む姿勢を崩さないだろう。これからの展開にも注目が集まる。