神戸市とハッチ・ワーク、災害支援のための協定を締結
神戸市が2025年2月10日に株式会社ハッチ・ワークと「災害時における月極駐車場の利活用に関する協定」を締結しました。この取り組みの目的は、災害時に月極駐車場の空き区画を被災者のために活用し、「災害ステーション」として機能させることです。この協定は、神戸市が掲げる、『すべての人が安心して暮らすことができるしなやかで安全なまちづくり』という基本方針にも合致したものであり、両者の協力によって地域の防災力を高めることを目的としています。
2月14日には神戸市役所で協定書の交換式が行われ、ハッチ・ワークの代表である増田知平氏と神戸市危機管理監の筒井勇雄氏が出席しました。この協定により、ハッチ・ワークは神戸市からの要請に応じて、同社が運営する「アットパーキングクラウド」を導入している駐車場管理会社と連携することになります。
協定の具体的な内容
協定の内容として、ハッチ・ワークは月極駐車場の募集停止や契約者への協力要請などを取り入れ、事前に同意を得た駐車場の空き区画を被災者支援に提供する仕組みを作ります。この取り組みにより、災害時には応援職員などが安全に駐車場を確保できるようになり、被災者支援の迅速化・効率化が期待されます。特に、契約から1か月間はハッチ・ワークがコストを負担することで、神戸市に対して無償でサービスを提供することが決まっています。
このように、災害時の駐車場不足の問題に対し、ハッチ・ワークは月極駐車場の利活用を通じて解決策を模索しています。この協定によって、神戸市内における「アットパーキングクラウド」を導入した月極駐車場は2025年1月末時点で8,000台以上となっており、今後も増加が見込まれています。
なぜこの協定が必要なのか
近年、災害時において避難する人々や緊急対応にあたる職員、ボランティアによる駐車場の需要が急増していることが問題視されています。また、従来の駐車場管理では一つ一つが独立しており、連携が難しいため、時には混乱を招くこともあります。そこでハッチ・ワークの「アットパーキングクラウド」がパートナーシップを通じて、エリア内の駐車場情報をリアルタイムで把握し、被災者支援活動をスムーズに行えるようサポートします。
さらに、神戸市関連の企業として、こうべ未来都市機構も2024年5月から「アットパーキングクラウド」を導入予定で、地域全体のDX化を目指しています。
今後の展望
ハッチ・ワークはこの協定を通じて、被災時に安全かつ迅速に支援活動を行える基盤を築くことを目指しています。また、神戸市内の駐車場のデジタル化を進め、効率的なリソース管理と、地域コミュニティへの貢献を強化する計画です。月極駐車場の活用は、単に駐車スペースを提供するだけにとどまらず、災害対応の新たなフレームワークを構築する重要な要素となりそうです。
今後もこの取り組みに期待が寄せられ、地域の安全性を高める一助となることが望まれています。