ゲーム市場の成長とその影響
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(BCG)は、新たに発表したレポート「Video Gaming Report 2026」から、世界のゲーム市場がコロナ禍の影響から回復し、今後急速な成長を遂げると予測しています。このレポートでは、約3,000人のゲーマーを対象とした調査結果が基礎となっており、2026年から2030年にかけて年平均成長率6%で拡大し、2030年には市場規模が3,500億ドルに達するとされています。
成長の内訳
レポートによると、2025年時点では特にモバイルゲームが市場の大部分を占める見通しです。一方で、専用の端末を必要としないクラウドゲームは小規模ながらも急成長が期待されており、2025年から2030年までの間で年平均成長率74%という予測がされています。これに対しPCおよび家庭用ゲーム機の分野の成長は限定的であり、特にコンソールにおいてはハードの売上が減少する見込みです。
ゲームを楽しむ年齢層の変化
調査では、プレー時間が増えたと答えた人が55%にも上ることが明らかになりました。また、年齢に関係なくゲームを続ける傾向が強まっており、61歳以上のベビーブーマー世代や45~60歳のX世代の多くが積極的にゲームを楽しんでいることがわかります。さらに、親たちが子どもに早期からゲームを体験させる傾向も見られ、約44%が「5歳までにゲームを始めた」と回答しています。
購買行動の変化
とはいえ、経済的な制約を感じているゲーマーも多く、49%が「割引を待って購入」、31%が「価格が上がれば購入を見送る」と回答しています。この点から、ゲーム製品の価格設定に慎重な姿勢が伺えます。
今後の4つのトレンド
BCGのレポートは、今後のゲーム業界の変化を形作る4つのトレンドについても触れています。まずは「生成AIの活用」です。現在、約7,300本のゲームがAIの使用を公開しており、50%のゲームスタジオがAIを活用しているとされています。AIはプログラミングの効率向上や品質保証に加え、プレイヤーごとの体験を向上させるためにも利用されています。
次に「ユーザー生成コンテンツ(UGC)の台頭」です。クリエーターエコノミーが急成長しており、2025年にはRobloxとFortniteだけでクリエーターへの支払いが15億ドルを超える見込みです。実際にコンテンツを制作している人は10~15%に過ぎないことから、まだまだ成長余地があると言えます。
三つ目は「クラウドゲームの拡大」です。調査によれば、60%がクラウドゲームを試した経験があり、特に80%が良好な体験を報告しています。しかし、継続的に利用している人は27%にとどまっており、普及にはまだ課題が残る状況です。
最後に「アプリ流通モデルの転換」です。モバイルゲームのアプリ内課金売上高が2025年には約1,300億ドルに達し、これがゲーム市場のほぼ半分を占めると予測されています。また、若年層の40%が開発者が運営するウェブ型アプリストアでの購入経験を持っていると回答しています。
未来への展望
BCGのマネージング・ディレクターであるエルネスト・パガーノ氏は、今後5年間でゲームのコンテンツとプレーヤーが大幅に増加すると予測しています。特にクラウドゲームやUGC、AI、アプリ流通モデルの変革がゲームの開発や配信に革新をもたらすでしょう。プレーヤーは新たな体験や活発なコミュニティ、更には自由に楽しめる環境を求めるようになります。このような変化を受け入れるゲームスタジオは、ゲームの未来を形作る貴重なチャンスを得るのです。
参考リンク
BCG公式ウェブサイト