若年層に支持される新NISAの利用状況と資産運用意識に迫る
株式会社ロイヤリティ マーケティングが行った「生活者の金融資産の保有状況と運用意識に関する調査」の結果、最近の生活者の金融資産に対する意識が明らかになりました。この調査は、2025年5月7日から9日の期間に、20代から60代の働く男女を対象として実施されました。
資産運用の新常識、新NISA
調査によると、新NISAの利用率は全体で35.6%にのぼっています。その中でも特筆すべきは20代と30代の若年層です。20代の新NISA利用者は44.5%、30代は41.5%と、いずれも全体の利用率を上回っており、若者たちの関心が高まっていることが示されています。
しかしながら、「利用予定なし」と回答した人も39.9%を占めており、若年層の利用推進にはさらなる啓蒙活動が求められそうです。これに伴い、NISA利用率は2023年の31.9%から上昇してはいるものの、依然として4割には届いていない状況が続いています。
資産保有の内訳
金融資産に関する質問では、驚くべきことに約53.8%が「普通預金」を最も多く保有していると答えました。次いで「株式・投資信託などの金融商品」が15.5%、そして「定期預金」が14.8%と続きます。一方で、過去1年間で最も増えた金融商品について聞いたところ、やはり「普通預金」が25.7%で最も多く、株式や投資信託も注目されています。
金融商品への移行傾向
さらに興味深いのは、普通預金から定期預金へ移行した経験のある人が44.9%という実態です。特に高齢者に向かうにつれて、この割合が増加する傾向があります。高金利の利息が得られることや使わないお金を安全に保管したいという理由から、定期預金を選ぶ人が多いことも示されています。
資産配分に対する意識
調査では保険と銀行の資産配分が6割くらい高く保たれていることが分かりました。今後増やしたい金融商品を聞いたところ、株式や投資信託が31.4%、普通預金が28.4%で拮抗し、定期預金は19.5%にとどまりました。ここから、若年層だけでなく様々な世代が積極的に投資商品に興味を示していることも伺えます。
理想の資産配分とは
最後に、将来に向けた理想の資産配分についての意識も調査されました。「守り80%:増やす20%」が理想とする人が約2割に上り、特に60代ではこの割合が高い結果となりました。しかし、最も多かった回答は「わからない」というもので、約3割を占めるということから、資産運用への不安や無知が広がっている様子も見て取れます。
このように今回の調査からは、特に若い世代における資産運用の意識が高まっている一方で、依然として多くの人が投資に対する理解に苦しんでいる現状が浮き彫りになりました。これからの日本において、金融教育やオープンな情報の共有が重要な課題となりそうです。