アボリジナル女性作家展
2025-06-24 11:14:59

アボリジナル女性作家たちの魅力を伝える展覧会が開幕

新たなアボリジナル・アートの視点



公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館(東京都中央区)では、6月24日から「彼女たちのアボリジナル・アートオーストラリア現代美術」展が始まりました。この展覧会は日本で初めて、アボリジナル女性作家に焦点を当てたもので、7名のアーティストと1組のコレクティブによる合計52点の作品が出展されています。

現代美術の潮流にそって、オーストラリアの先住民アートが再評価されている中、アボリジナル女性作家たちも国際的な舞台で注目を集めています。2024年にはオーストラリア館がヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞するなど、その勢いは増しています。

展覧会の見どころ


1. 日本初の試み


この展覧会では、アボリジナル女性作家に焦点をあてることで、これまでのオーストラリア現代美術の経緯を浮き彫りにします。1970年代から80年代にかけて、アボリジナルアートの発展には男性が主導的な役割を果たしていましたが、近年女性作家たちがその立場を逆転させ、アートシーンでのインパクトを増しています。アボリジナル女性作家が如何にアートの方向性を変えてきたか、本展を通して理解を深められるでしょう。

2. 現在のアボリジナル・アートに迫る


現代アボリジナル・アートは、制作手法やテーマ、使用素材の多様性が際立っています。女性作家たちはバティックやジュエリーなど、これまで見過ごされていたジャンルをアートとして昇華させてきました。出品作品は社会問題や環境問題、また歴史的なテーマも扱い、脱植民地化に向けたアプローチも示されています。展覧会では、彼女たちの多彩な創作活動を丁寧に追い、アボリジナル・アートの現在に迫ります。

3. 多様な地域からの作家紹介


オーストラリアの地理的特性を反映した多様な作家が参加しているのも本展の特徴です。伝統文化の根付いた地域出身の作家から、都市部を拠点に活動する作家まで幅広く紹介され、地域性が作品に与える影響を探求します。

出品作家は以下の通りです。
  • - マリィ・クラーク(1961–):植民地時代の伝統文化を復興する活動を行い、最新技術を用いた作品が特徴。
  • - マーディディンキンガーティー・ジュワンダ・サリー・ガボリ(1924頃–2015):80歳を超えてから絵画制作を始め、作品数は約2000点に及ぶ。
  • - ジュリー・ゴフ(1965–):細かなリサーチに基づいてタスマニアのアボリジナル文化や歴史を扱う。
  • - エミリー・カーマ・イングワリィ(1910頃–1996):国際的に高く評価された作家で、3000点以上の作品を創作。
  • - ノンギルンガ・マラウィリ(1938頃–2023):伝統的な技法を用いて新しい表現を切り開いた。
  • - イワニ・スケース(1973–):吹きガラスによるインスタレーションを通じて歴史と社会問題を考察。
  • - ジャンピ・デザート・ウィーヴァーズ:地域の伝統を大切にしながら現代社会のテーマを映像作品に昇華。

展覧会の開催情報


会期:2025年6月24日(火)- 9月21日(日)
開館時間:10:00-18:00(毎週金曜日は20:00まで)
休館日:月曜日(7月21日、8月11日、9月15日は開館)
会場:アーティゾン美術館 6・5階展示室
入館料:ウェブ予約チケット1,800円、窓口販売チケット2,000円、学生は無料(要ウェブ予約)

この展覧会を通じて、アボリジナル女性作家たちの独自の視点と文化を体感し、彼女たちが伝えたいメッセージを感じ取ってほしいです。アーティゾン美術館で新たなアートの世界を探求しましょう。


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会社情報

会社名
公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館
住所
東京都中央区京橋1-7-2
電話番号

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