BIMエンジニアライセンス
2023-10-06 19:02:08
BIMエンジニアライセンス実施開始!建築業界の新たな資格制度とは
BIMエンジニアライセンスの概要
一般社団法人日本BIM協会が、建築業界の未来を見据えた新たな資格制度「BIMエンジニアライセンス」の申込受付を令和5年10月6日から開始しました。この資格制度は、BIMの普及を促進し、業界全体のレベル向上を目指すものです。
BIMの普及現状
BIM(Building Information Modeling)は、設計から施工、運用に至るまで様々なプロセスをデジタル化する手法として注目されています。しかし、日本においてはBIMの導入が進む一方で、依然として多くの課題が存在します。国交省の取り組みにより、公共施設の設計にはBIMが原則適用される方向性が示されていますが、大手企業に比べて中小企業や地方自治体では導入が進まない現状が続いています。
特に、BIMに関する専門的な知識やスキルを持つ人材の不足が問題視されています。BIMの具体的な理解や制作技術に関する評価基準が不明確であるため、業界全体の人材育成が必要とされています。これらの課題を解決するために、新しい認証システムが必要不可欠なのです。
「BIMエンジニア」の定義と目指す方向性
日本BIM協会は、「BIMエンジニア」をBIMの概念を正確に理解し、各種ソフトウェアを駆使してBIMモデルを作成できる人材と定義します。この資格制度は、BIMエンジニアを育成し、業界の人材不足を解消するために設計されています。
「BIMエンジニアライセンス」は、等級別試験であり、受験者の能力を測定し、一定の水準以上であれば資格を授与します。この認証を通じて、BIMの共通認識を広め、実務に携わる人材の質を高めることを目指しています。
ライセンス試験の概要
新しい資格制度「BIMエンジニアライセンス」は、以下の三つの等級で構成されています。
1. BIMクリエイター
- 試験内容: 実施設計S3レベル(LOD250~300)のBIMモデル作成能力及びアウトプット能力の評価。
- 受験条件: 資格保有不問、BIMの目的や価値を理解している者。
- 受験料: 15,000円(税抜)
2. BIMエキスパート(計画中)
- 技術者としての実務経験が必要。
- 受験料: 30,000円(税抜)
3. BIMマスター(計画中)
- 資格保有者が条件。
- 一級建築士や建築設備士の資格も要求される可能性あり。
すべての試験は、オンラインプラットフォームで実施され、受験者が自分のペースで学習し、受験できる環境が整っています。これによって、学ぶ意欲がある多くの人々が資格取得を目指しやすくなります。
今後の展望
日本BIM協会は、CADによって行われていた業務をBIMに置き換えることで、業務の効率性を高めるとともに、若いデザイナーのスキル向上につなげたいと考えています。今後のデザインチームは、BIMクリエイターからBIMエキスパート、そしてBIMマスターといった階層を設け、それぞれが役割分担をしながら業務を進めていくことが必要です。
資格制度の導入により、BIMに関する知識の普及が進むことが期待され、建築業界全体のデジタルシフトが一層進むことでしょう。日本BIM協会は、業界の将来に向けた人材育成に貢献し、建築業界の発展に寄与したいと考えています。
この「BIMエンジニアライセンス」は、単なる資格取得の枠を超え、建築業界を担う次世代の人材を育成するための重要なステップとして位置づけられています。新たな時代の幕開けに期待が高まります。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人日本BIM協会
- 住所
- 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5リンクスクエア新宿16F
- 電話番号
-
070-1490-0220