MolexがComputex 2026で次世代AIデータセンター用液冷バスバーを発表
2026年6月9日、イリノイ州ライルに本社を置くMolexが、Computex 2026において次世代の熱管理技術として「マルチチャネル液冷バスバー」を公開しました。この技術は、AIワークロードの増加により電力要求が高まるデータセンターのニーズに応えるもので、ラックあたりの電力要件が1メガワット(MW)に及ぶ中で、従来の空冷インフラが限界を迎えています。
液冷技術への移行
Molexは、液冷技術を電力配分層に導入することで、AIのサーマルギャップを解決することを目指しています。現在、同社の新型バスバーは最大15,000アンペアに対応し、将来的には25,000アンペアに対応する計画もあります。そのため、AIのさらなる拡張を見据えた設計の進化が期待されます。
Molexのパワーシグナル事業部門のVP兼GMであるケビン・アルバーツ氏は、「AIの成長に伴い、電力供給経路での熱的課題を解決する必要がある」と述べ、この新技術によってラックの設置面積を大幅に増やすことなく、安定した電気性能を維持しつつ熱ストレスの軽減が可能になると説明しました。
独自のマルチチャネルアーキテクチャ
Molexの新たなバスバーは、従来のシングルチャネル設計とは異なり、7つの独立した冷却液チャネルを持つ「マルチチャネルアーキテクチャ」を採用しています。この革新的なアプローチによって、熱の均一な抽出が可能になり、ホットスポットの発生や熱ストレスを低減しつつ、高電流時の電気性能を安定させることができます。その結果、同社の液冷バスバーは、15,000アンペアの条件下での温度上昇(T-Rise)を15°Cに抑えた優れた熱効率を実現しています。
Molexのシミュレーションデータによると、7チャネルの設計により、冷却効率がシングルチャネル設計と比較して最大20%向上します。この技術的革新により、データセンター設計者はラックスペースを犠牲にせずとも電力容量を拡大できます。
フレキシブルなモジュラー設計
さらに、Molexの新しい液冷バスバーは、これまでにない柔軟性を備えています。バスバーの長さ、奥行き、冷却液の入口・出口位置を調整可能で、限られたスペースでも最適なレイアウトが実現します。この柔軟性と標準のプラグアンドプレイインターフェースを組み合わせることで、物理的なインフラを再設計することなく、簡便に液冷システムへ移行することができます。
将来を見据えた投資保護
Molexは、ORV3およびHPRの機械規格と互換性のあるフットプリントを維持していることで、システム統合を簡素化します。このことは、データセンターやAIラックアプリケーションの信頼性向上に寄与し、ハイパースケーラーは次世代アクセラレータや1-MWラックアーキテクチャへの移行をスムーズに行うことが可能です。
これにより、現在の15,000アンペアから25,000アンペアに電力需要が拡大しても、全面的な再設計を行う必要がなくなります。また、誘電性と非誘電性の液体両方に対応可能なため、さまざまな既存設備の冷却ループへシームレスに統合できます。
Computex 2026でのMolexの展示
Computex 2026では、Molexが次世代AIインフラを支えるイノベーションを多数展示しました。ものとしては、マルチチャネル液冷バスバーの実行とリアルタイム熱マッピングデモが含まれ、高密度AIワークロード環境下での効果が確認されました。また、エネルギー効率と熱管理をサポートする高度な冷却機能を搭載したラックソリューションや、次世代データ伝送をサポートする高速接続ソリューションも紹介されました。
Molexは、未来を見据えて革新を続けています。詳細情報は公式サイトをご覧ください。
www.molex.com