NTT Comが切り開く新たな通信の未来
NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、ローカル5G網と公衆モバイル網の接続を自動で切り替える新技術を開発しました。この技術は法人事業ブランド「ドコモビジネス」の一環として展開され、NTT東日本が運用しているローカル5Gサービスを利用し、技術検証に成功しています。
技術の背景
ローカル5Gは、企業が自社専用のモバイル網を構築できる利点を持ち、特に超高速通信や低遅延性が求められる環境での活用が期待されています。しかし、複数の免許交付エリアを中心に移動する際には、電波法やガイドラインを遵守しなければなりません。そのため、急にエリアから外れた場合には、SIMの入れ替えや一時的な電源オフが必要でした。これに対処するため、NTT Comは自動でのプロファイル切り替えが可能なSIMアプレットを開発しました。この新技術により、複雑な操作は不要となり、よりスムーズな通信環境が提供されることになるのです。
新技術の特徴
この新技術は、1つのSIM内にローカル5Gと公衆モバイルのプロファイルを組み込むことにより、エリアに応じて自動で通信方法を切り替えることを可能にします。ローカル5G対応区域内ではローカル5Gのプロファイルを使用し、それ以外の区域では公衆モバイル網へと自動的に接続します。この動作は、SIMが自動で接続状況やエリア情報を判定し行うもので、従来の手動切替操作を大幅に簡略化しました。
ユースケースの多様性
この技術を応用することで、様々なユースケースが考えられます。例えば、鉄道やバスなどの移動体がローカル5Gエリアと公衆モバイルエリアを行き来する際、SIMが自動でネットワークを切り替えて通信を維持します。また、ローカル5Gのシステム障害が発生した場合には、バックアップとして公衆モバイル網に自動で切り替え、通信を継続できるため、安定性が向上します。さらに、広大な土地での通信が困難な場合には、公衆モバイル網に切り替えることで通信が可能となるなど、実用性が期待されています。
今後の展開
NTT Comは今年度下期にユーザーによる受容性評価を行い、「docomo Businessプライベート5G」のオプションメニューとして本技術をサービス化する計画です。また、直近の2024年10月10日から11日に開催される「docomo business Forum'24」では、本技術が紹介される予定です。
結論
NTT Comの開発した新しいSIMアプレット技術は、5G環境の進展に伴い、IoTデバイスの活用幅を広げ、モバイル通信の在り方を変える可能性を秘めています。今後の技術革新に注目です。