サン工業が新たに導入した超高硬度クロムめっき量産設備
サン工業株式会社は、2026年6月18日から新たに「摩耗に強い超高硬度クロムめっき」の大型量産設備を稼働開始しました。この設備の導入により、自動車のEV化や半導体製造装置の進化に伴う部品の高精度・高耐久性のニーズに応えることが可能となります。従来の硬質クロムめっきに比べ、約2倍の硬度および約5倍の耐摩耗性を持つこの新たな技術が実現され、最大長さ700~800mmの精密加工装置部品への適用が可能となりました。特に、今後は最大2,500mmの大型長尺ロールへの対応も計画しています。
新技術導入の背景
電気自動車や半導体技術の急速な発展は、高精度で高耐久性を求める部品に対する需要を引き起こしています。これにより、リチウムイオン電池の電極製造用ロールや半導体ウェハー製造の機器部品など、極めて細かい摩耗が品質に影響を与えることから、頻繁なメンテナンスが必要とされる場面が増えました。これらの需要に応えるため、サン工業は新技術として「超高硬度クロムめっき」を開発し、一層の耐摩耗性向上を図ったのです。
特徴と性能
1.
異次元の硬度と耐摩耗性
従来のビッカース硬度が800~1000程度だった硬質クロムめっきに対し、超高硬度クロムめっきは熱処理を施すことで約1,800まで引き上げることが可能です。これにより、摩耗の影響を受けにくくなり、特にリチウムイオン電池加工用ロールはメンテナンスの手間を大幅に軽減します。また、摩擦係数も低減しており、これによって耐摩耗性が約5倍向上しています。
2.
高い耐熱性・耐薬品性
超高硬度クロムめっきは熱処理により硬度がさらに向上し、600℃の熱処理でHv2,100に達します。これにより、様々な産業分野での応用が可能で、高い耐食性を有し、酸やアンモニア水に対しても優れた耐薬品性を発揮します。
3.
クラックフリーな被膜
薄膜であってもクラックを発生させません。これにより金型の表面処理としても利用でき、離型性に優れた特性も持っています。
新設備導入による生産能力の向上
新たに導入された超高硬度クロムめっき槽の大きさにより、今後は長さ最大700mmまでの様々な形状の製品に対応可能となります。さらに、特殊形状部品に対するめっき処理も行えるため、少量多品種の生産にも柔軟に対応できる体制を整えました。
持続可能な社会への貢献
今回の設備稼働は、循環型社会の実現に貢献するものです。使い捨てから長寿命化を進め、環境負荷の軽減を図ることに寄与することを目指しています。サン工業は、技術革新を進めることで、産業の基盤を支える表面処理技術のさらなる高度化に取り組みます。
企業概要
サン工業株式会社は1949年に設立され、半導体、自動車、産業機械分野における表面処理技術を提供してきました。20種類以上のめっきに対応する設備を持ち、ISO 9001やIATF 16949の認証取得に加え、数々の賞を受賞した高い技術力で日本のモノづくりを支えています。
- - 本社所在地:長野県伊那市西箕輪大芝原2148-186
- - 設立:1949年
- - 代表者:代表取締役社長 川上健夫
- - 資本金:9,000万円
- - 公式サイト:サン工業株式会社