透明樹脂の新技術
2016-01-08 09:00:02
透明樹脂に高硬度・高耐擦傷性を実現した新技術の登場
透明樹脂の新たな未来を切り拓く技術
株式会社菱光社が、透明樹脂の三次元成型品向けに開発した新しいハードコーティング技術が、業界に大きな注目を集めています。この技術は、加美電子工業株式会社の超臨界CO2塗装装置と連携しており、2016年1月からその販売を開始することが発表されました。
課題を解決するハードコーティング
ポリカーボネイトやアクリルといった透明樹脂は、その軽量性や強度からさまざまな分野で使用されていますが、擦傷に弱く、白化現象が進行するため、特に視認性が重要な用途では敬遠されてきました。しかし、菱光社の新しいハードコーティング技術は、この問題を解決することが期待されています。
新たなハードコーティングにより、曲面にも均一に塗布されたサンプルでは虹色の干渉模様が見られず、視認性を向上させることができます。この技術によって、透明樹脂の美しい外観を保持しながら、耐擦傷性を大幅に向上させることが可能です。
超臨界CO2塗装装置の導入
今回の技術で特に注目されるのは、超臨界CO2塗装装置の利用です。従来はシンナーなどの溶剤を使っていた工程を、CO2に置き換えることによって、さまざまな利点が得られます。具体的には、高粘度でも低粘度化が実現し、均一に噴霧できることから、液ダレや膜厚のムラの問題を解消しています。
これにより、環境への配慮も行われています。揮発性有機化合物(VOC)の使用が大幅に軽減され、よりエコフレンドリーな製品作りが進んでいます。この技術の導入は、業界に新風をもたらすことが期待されています。
高硬度を誇る新素材
菱光社が開発した新しいCO2塗装用のハードコーティング材料は、ポリカーボネイトにおいて鉛筆硬度5Hを誇り、さらに1000回の擦傷試験を荷重1kgfでクリアした実績があります。また、アクリル素材においても、硬度9Hを達成しました。このように高い性能を証明したサンプルは、2016年1月に東京ビックサイトで開催されるオートモティブ展でも披露される予定です。
まとめ
菱光社の革新的なハードコーティング技術は、透明樹脂の特性に新たな価値を加えるものであり、さまざまな分野での応用が期待されます。軽量で高強度、さらには環境にも優しい素材作りが進む中、今後の展開に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
-
株式会社菱光社
- 住所
- 東京都江東区豊洲5-4-9KR豊洲ビル1F
- 電話番号
-
03-5548-0211