ispace、HAKUTO-R ミッション2へ
2024-06-27 16:51:16

ispace、月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2のランダー熱真空試験完了!2024年冬打ち上げへ

ispace、月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2のランダー熱真空試験完了!2024年冬打ち上げへ



株式会社ispaceは、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2で打ち上げを予定しているRESILIENCEランダー(月着陸船)のフライトモデルの熱真空試験が完了したことを発表しました。

同社は、2023年7月頃からJAXA筑波宇宙センターにてランダーのフライトモデル試験に向けた組み立てを開始。ミッション2で輸送予定のほぼすべてのペイロードを搭載後、同センター内の環境試験設備で試験を実施しました。

10日間の試験では、ランダーの電源系、航法誘導制御系機器、通信系、熱制御などが、実際の宇宙空間での航行を模した環境で正常に作動することを確認しました。また、ランダーに搭載された通信系を利用し、ランダーシステムへの接続評価や、コマンドの送信、計測機器からのデータ受信など、実際の航行を想定した操作確認も行われました。

今回の試験は、ミッション1の試験・運用で得られた「学び」を活かし、より厳密かつ効率的に実施されました。

ispaceが今冬に予定しているミッション2では、RESILIENCEランダーがフロリダ州ケープカナベラルからSpaceX社の運営するFalcon 9で打ち上げられる予定です。本ランダーには、複数の顧客のペイロードに加え、ispace欧州法人が開発するマイクロローバー(小型月面探査車)が搭載され、マイクロローバーを使用した月のレゴリス採取を予定しています。ローバーの後方にはHAKUTO-Rのコーポレートパートナー企業であるEpiroc AB社が開発するスコップを搭載。スコップを使用して月のレゴリスを採取し、ローバーに搭載したカメラで採取物の撮影を行う計画です。採取したレゴリスは、2020年12月にアメリカ航空宇宙局(以下NASA)による世界初の月資源の商取引プログラムに採択されたispace EUROPEよりNASAに譲渡されます。

ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業としてミッション2およびミッション3の同時開発を進めています。2024年冬に日本法人が主導するのは、ミッション2、続いて2026年には米国法人がミッション3を主導する計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。

ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史氏のコメント



「ミッション2に挑むRESILIENCEランダーの重要な試験マイルストーンを新たに達成し、ispace従業員の尽力に心から感謝しています。短期間に繰り返しミッションを行えることで、確実に技術やチームの成熟度が上がっていることを実感しています。継続的に月輸送サービスを提供するために、このミッション2をしっかりと完了させるべく取り組んでまいります。」

ispace CTO 氏家亮氏のコメント



「ミッション2の熱真空試験を無事完了出来たことは大きな成果です。今回の試験では、ミッション1の経験に基づき改善と効率化がされた上で、想定通りの良い結果を得ることが出来ました。ミッション1の成果をミッション2に着実に反映したispace従業員の尽力に心から感謝しています。RESILIENCEランダーは引き続き、打ち上げに向けた最終準備を確実に進めてまいります。」

株式会社ispaceについて



「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業です。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍しています。

2010年に設立され、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営していました。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発しています。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。

2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了しました。続く2024年冬にミッション2の打ち上げを、2026年にミッション3、2027年にミッション6の打ち上げを行う予定です。

HAKUTO-Rについて



HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラムです。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行います。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了しました。2024年冬にミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定です。

HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社、Epiroc ABが参加しています。


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