ミラノデザインウィーク2025で見逃せない展示「Unseen Objects」
2025年4月7日から4月13日まで、イタリア・ミラノで開催されるミラノデザインウィークにおいて、デザインスタジオwe+と株式会社平和合金が共同で展開する新作「Unseen Objects」が注目を集めています。この展示は、鋳物文化の新たな魅力を探求し、私たちが見落としてしまいがちな製造過程の背後にある美を再発見することを目的としています。
鋳物文化の舞台裏に迫る
「Unseen Objects」は、鋳物制作において通常は目につかない道具や素材の質感、偶然の造形に焦点を当てた作品です。これまで見過ごされてきた鋳造文化の一面を再解釈し、花瓶のコレクションという形で目にすることができます。展示は、ミラノ五つの道にあるGalleria Rubinにて行われます。
展示の背景
富山県高岡市は江戸時代から400年にわたり銅器鋳造の中心地として栄えてきました。この地の伝統技術を受け継ぐ平和合金は、1906年に設立され、ブロンズ像や宗教美術品など多岐にわたる鋳造物を手がけています。本プロジェクトにおいて、we+のデザイナーたちは平和合金の工場を何度も訪れ、鋳造プロセスを詳細にリサーチ。彼らは、「見過ごされてきた魅力」として工場内で生まれる素材や形状に新しい価値を与えています。
集められた六つの作品
「Unseen Objects」には、以下の六つの作品が含まれています。
1.
中子 - 鋳物の内部に空洞を作るための砂型を使った有機的な形状。
2.
ゴム型 - ロストワックス鋳造で使用されるゴム型の機能的形状の精密再現。
3.
砂型 - 通常は壊れてしまう運命にある砂型を作品として保存。
4.
鋳砂 - 鋳造後に残る砂を利用し、金属との新たな融合を追求。
5.
バリ - 通常は捨てられる鋳造後の不要部分を残した作品。
6.
鉄棒 - 鋳物の砂型を固定するための鉄棒で、溶接痕や折れ曲がりが表現されています。
マリア・クリスティーナ・ディデロのコメント
本作を手がけるデザインキュレーターのマリア・クリスティーナ・ディデロは、「Unseen Objects」が完璧さの追求に異議を唱える作品であり、製造過程におけるミスや残余物が美を持つことを再確認すると述べています。美しさは磨かれたものだけではなく、不完全なかたちや痕跡の中にも存在することを伝えたいと語っています。
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古いものを再発見し、新たな呼びかけを行うこの作品は、我々のものづくり、そして生き方における失敗の受け入れ方についての問いかけでもあるのです。
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ショッピング情報
展示は2025年4月7日から13日、Galleria Rubinにて。通常の営業時間は毎日10:00〜19:30です。サスティナブルなものづくりをテーマにしたこの素晴らしい作品をぜひ見る機会をお見逃しなく!
公式サイトへのリンク:
平和合金 |
we+