いなべ市のUDフォント
2020-12-15 14:00:03
三重県いなべ市、UDフォント導入で情報発信の改善へ
三重県いなべ市の新たなる挑戦 - UDフォント導入による業務改善
三重県いなべ市が全国に先駆けて、すべての職員が利用する端末にユニバーサルデザイン(UD)フォントを導入しました。これは市内外への情報を「伝わる」形で発信し、業務の効率化を図ることを目的とした取り組みです。特に、教職員を含む全ての職員が作成する文書や通知にこのUDフォントを利用することで、情報のユニバーサルデザイン化が進むことが期待されています。
このプロジェクトは、2020年の10月に始まりました。いなべ市は、フォントの有益性を証明するため、株式会社モリサワと協力し、実証実験を実施しました。この実験の中で、UDフォントと一般的なバンドルフォントを用いて、どちらがより誤読を回避できるか、また読みの速度にどのような影響を与えるかを検証しました。
検証結果
結果はとても興味深いものでした。UDフォントを使用することで、全ての世代において誤読の回避が達成され、その効果は約5.34%に達しました。また、特に40代以上の世代においては、読みの速度が上昇し、約3.3%の速さを確認することができました。この結果から、業務における情報伝達のミスを軽減するだけでなく、業務全体の効率性をも高める要素があることが導き出されます。
成果とその意味
誤読が減少し、業務の複雑さが軽減されることで、内外への情報伝達がスムーズになると考えられます。特に考慮すべきは、情報の誤解釈から生じるミスが減少することで、職員の労働時間が短縮され、結果としてコストの削減が見込まれる点です。具体的な試算として、いなべ市の40代以上の職員がUDフォントを利用することで、年間で約700万円の労働時間を削減できるとの結論に至りました。
このように、業務の生産性向上や働き方改革に寄与する可能性があるこの取り組みは、情報のやり取りが多い教育現場や行政の分野において、今後ますます重要な意味を持ってくるでしょう。
より広がるUDフォントの活用
いなべ市では今後、職員向けの研修や説明会を通じて、UDフォントの活用をさらに推進していく方針です。これにより、住民とのコミュニケーションツールとしての通知書や公的な情報、学校からの配布物、さらには公式ウェブサイトにおいてもUDフォントを積極的に採用していく予定です。
これらの取り組みにより、いなべ市が望む情報のユニバーサルデザイン化は進展し、より多くの人々に正確で分かりやすい情報が提供できるようになるでしょう。また、これは今後の行政の在り方を示す良いモデルケースになると期待されています。
さまざまな影響
この取り組みは、いなべ市の職員だけでなく、地域住民、さらには関係機関においても大きな影響を与えるでしょう。UDフォントを通じて、全ての人々に情報が平等に伝わることが重要です。今後の展開が期待されます。
本件に関する問い合わせは、三重県いなべ市役所 企画部 政策課までお願いします。また、株式会社モリサワへの問合せも受け付けています。
会社情報
- 会社名
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三重県いなべ市
- 住所
- 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地
- 電話番号
-
0594-86-7741