大阪の老舗包丁専門店が新たな食文化の拠点を開設
堺一文字光秀が運営する包丁専門店が、大阪市中央区難波の道具屋筋商店街に新たなイベントスペース『一十一 ICHITOI』をオープンしました。このスペースは、日本の食文化や道具文化の発信地として、多彩なイベントを通じて人々と交流を深めることを目的としています。
オープンの背景
創業から72年の歴史を誇る堺一文字光秀は、包丁の産地である堺の優れた技術を駆使し、高品質な包丁を提供し続けています。これまで、多くの一流料理人や名店に支持されてきた同店ですが、最近では和食ブームやインバウンドの影響で、包丁や日本の食文化に注目が集まっています。しかし同時に、作り手の減少や水産資源の枯渇など、文化の消費が進んでいる現実に直面しています。
このような状況を受け、道具屋筋商店街という立地を活用し、さらなる文化の発展に寄与するために新たなイベントスペースを作る運びとなりました。
『一十一 ICHITOI』の理念
『一十一 ICHITOI』の名称は、一文字と十一者の組み合わせから成り立っています。このスペースでは、食文化や道具文化に関わる様々な存在を巻き込み、新たな気づきを生み出すことを目指しています。『十一者』とは、作り手や使い手、食品生産者、行政など、異なるバックグラウンドを持つ人々を指し、一堂に会することで、各分野に新しい視点をもたらすことを期待しています。
例えば、若手育成に関しては、酒蔵と連携したトークセッションや、食品生産者と教育機関が協力した食育イベントなど、多彩なコラボレーションが展開される予定です。また、包丁を研いだことがない方に対しては、実際に包丁研ぎのワークショップを開催し、手を動かす体験を提供します。
オープンキッチンとセミナー設備
『一十一 ICHITOI』には、オープンキッチンやセミナー設備が備わっており、さまざまなイベントに対応できる環境が整っています。今後、多くの人々との交流を通じて、文化の発信地としての成長を目指していく考えです。
代表からのメッセージ
道具屋筋商店街は、日本の食文化を長年支えてきた場所であり、私たちは創業以来、高品質な包丁を提供してきました。しかし、作り手の減少や安価な輸入品の普及によって、日本の食文化や道具が失われつつあるのが現状です。『一十一ICHITOI』を通じて、料理人や包丁職人にとどまらず、食と道具の関わる分野の多様な人々と共に、日本の食文化や道具文化を再評価し、世界へ発信する場としたいと考えています。
この取り組みによって、100年先も世界の人々を魅了する食文化の発信地として、大阪が成長し続けることを願っています。
会社概要
- - 会社名: 一文字厨器株式会社
- - 運営店舗: 堺一文字光秀
- - 代表者: 代表取締役社長 田中 諒
- - 住所: 〒542-0075 大阪市中央区難波千日前14-8
- - ホームページ: icmonji.co.jp