フードロス削減に向けた消費者意識の変化
食品の廃棄が国を挙げての課題として取り上げられる中、株式会社mitorizが実施した最新の調査結果は消費者の意識に注目を集めています。その調査は、消費者購買行動データサービス「Point of Buy®」に登録する3,002名を対象に行われ、特に食品の期限切れに対する考え方や、フードロス削減への取り組みについて詳細に分析されています。
調査の背景と目的
10月が食品ロス削減月間であることを受け、2023年の前回調査と比較し、賞味期限や消費期限切れ食品への考え方、そして「てまえどり」の実践状況を点検することが目的となっています。
フードロスに対する意識の高まり
調査によると、「フードロスを意識している」と答えた人は78.8%に上り、これは2023年からわずかに増加しています。特に50代以上の年代では、80%以上がフードロスに対する高い意識を示しています。これは、消費者意識の年代別の傾向が如実に表れています。
賞味期限・消費期限への関心
全体の約90%の消費者が「賞味期限・消費期限」を気にしているものの、実際に期限切れの食品を即廃棄する人はわずか4.4%です。つまり、多くの人々が期限切れ食品に対して、一定の許容範囲を設けていることが伺えます。
計画的な食品購入の実施率
併せて、消費者が「常に計画的に食品を購入している」と答えたのは32.0%で、また58.1%の人は古い食材を優先的に使用することを意識しているようです。この結果は、消費者が食品の無駄を減らそうとする努力が根付いていることを示しています。
若者の「てまえどり」実践
特に、「てまえどり」を実践している割合は69.6%と前回の68.4%から増加。この「てまえどり」運動は、若い年代ほど実践率が高いことが明らかになりました。手前の商品を優先的に選ぶことが、フードロス削減に貢献しているのです。
期限切れに対する許容範囲が広がる
また、食品の期限切れに関する許容範囲も変化しています。「2〜3日まで」と考える消費者は40.2%ですが、2023年比で5.5ポイント減少しています。これに対して「1週間まで」の意見が増加傾向にあり、全体的に消費者の期限切れに対する考え方が緩やかになっていることが分かりました。
フードロス削減ECの利用
さらに、「フードロス削減ECサイト」の利用が前年比で2.6ポイント増加し、14.1%の消費者がこれを利用していると回答しました。安価で購入できることがその大きな理由であり、実際に約70%が「安く買えるから」と答えています。
まとめ
この調査結果から、消費者のフードロスに対する意識は確実に高まっていることが示されていますが、特に低価格で購入できるECの存在が利用意欲を高めている要因になっています。今後もフードロス削減に向けた取り組みが更に推進されることが期待されます。