ロボット革新技術
2025-11-06 17:24:38

ヒューマノイドロボットの未来を切り拓くアクチュエータ技術の革新

ヒューマノイドロボットの未来を切り拓くアクチュエータ技術の革新



日本精工株式会社(NSK)は、ヒューマノイドロボット向けに特化した革新的なアクチュエータを開発しました。この新たな技術は、産業用ロボットでの長年の経験を基に、小型化・軽量化を実現しつつ、高いバックドライバビリティを備えています。特に、NSKはデルタグループと協業し、モーターおよびドライバを内蔵したコンパクトな設計を追求しています。

開発の背景


近年、ヒューマノイドロボットの需要は高まりを見せています。労働力不足、高齢化社会の課題に対処するため、製造業から介護、サービス業に至るまで、様々な領域での活用が期待されています。NSKはこれまでにも産業用ロボット向けの技術を多く手掛けてきましたが、今後の成長が期待されるヒューマノイドロボット領域でも、さらなる技術革新が求められています。これを受けて、NSKは新たなアクチュエータの開発に着手したのです。

開発品の特長


NSKが投入するアクチュエータには、ロータリータイプとリニアタイプがあり、ヒューマノイドロボットの関節やその他部位での利用が考えられています。以下にそれぞれの特長をまとめます。

ロータリーアクチュエータ


  • - 小型軽量化: トルク重量比約110N・m/kgを実現。
  • - 設計自由度の向上: 中空穴を設けることで配線と配管の自由度が拡大。
  • - バックドライバビリティ向上: 外力に対しても柔軟に対応できるトルク推定機能を持っています。

リニアアクチュエータ


  • - 高バックドライバビリティ: ボールねじを採用し、高い応答性を実現。
  • - 軽量化: 最大推力重量比約4300N/kgにより、コンパクトな設計を可能にしています。

これらのアクチュエータは、ロボティクス分野において、しなやかで安全な動作を実現するために不可欠な技術です。

開発品の効果


新たに開発されたアクチュエータは、以下の点でヒューマノイドロボットに希望をもたらすと考えられています。

1. 設計柔軟性の向上: 小型化によってロボットの設計自由度が増し、人間に近い形状の再現を可能にします。
2. 省電力と長時間稼働: NSKの技術を活用することで、ロボットの消費電力が低減し、バッテリー駆動時間の延長に寄与します。
3. 高い安全性と柔軟性: 外的衝撃に対する柔軟な応答が可能で、人との安全な共存を実現します。
4. スマート化への対応: デルタ電子との協業により、高速通信やソフトウェア制御が可能です。

今後の予定


本開発品は2025年12月に開催される「2025国際ロボット展」での参考出展を予定しており、顧客のニーズを取り入れた上で2028年の市場投入を目指します。市場投入前には顧客との共同による検証や試作評価が行われる予定です。

NSKは2036年までにロボティクス領域を主要事業に成長させる計画を掲げ、技術開発を進めていく意向です。特に、次世代のヒューマノイドロボットを支えるため、持続可能な技術の発展を重視しています。社のスローガンである「MOTION & CONTROL™」を信条に、環境保護と社会貢献を両立させる企業として成長を続けます。


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会社情報

会社名
日本精工株式会社
住所
東京都品川区大崎1-6-3日精ビル
電話番号

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